ぼくが少年を拾ってから数日。
その少年は本名からとって、ケンという源氏名に
なった。
店のホストとも打ち解けて、
本来は底抜けに明るい性格だともわかった。
唯一解せないのは……
あろうことか、先輩がケンにご執心なことだ。
ぼくが逃げてからちょっと気まずいのは
否めないけど……
……なんか、すごくもやもやする!!
ちなみに、ケンはルスクにもよく話しかけるけど、
毎回冷たくあしらわれている。
それでも話しかけるのをやめない図太さは
なんというか、
たくましいというか。
いつも冷たくて無愛想なルスクも、
若干ケンの勢いに気圧されてる感じはある。
ぼくを差し置いてケンと楽しそーーーに
話してる先輩をじっと見つめてみる。
そうしていると、ぼくの視線に気づいたのか
先輩が僕の方を見た。
ヤケになってロキさんを飲みに誘った。
(ぼくは飲まないけどね)
ロキさんはシャンパンは酔わないけど、
ビールだとなぜか酔うらしい。
今日は前飲んだときより明らかに酔ってる。
ろれつ回ってなくてなんにも聞き取れないよ……。
それと、日によって笑い上戸だったり
泣き上戸だったりする。
酔っ払ったロキさんとなんとか会計を済ませて
外に出る。
やっぱり酒臭くない外の空気はいいな……
とか考えながらロキさんをタクシーに乗せて
無理やり帰す。
やっと1人になって背伸びをしていると、
何かがずんずんと近づいてくるのが見える。
また暴力団とかかなぁ、物騒だなぁ〜
暴力団だと思っていたそれは、
息を切らしながらやってきた先輩だった。
ぼくのところに近づいてくるやいなや、
市街地だっていうのに勢いよく抱きついてくる。
そのあとぼくらは、
先輩の家で一緒に夜を過ごしたのだった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。