闇の深い山奥、一人の人物が立っていた
血のついた空色の刀を手に持ち、素早く刀を一閃して血を払う
漆黒の黒髪に空色の吊り目がちの瞳。年は15、16くらいだろうか。
空色に白いぼかしの入った羽織をの下には、青みがかった軍服のようなものを着ている。
だが、不思議なことにその人物からは性別が読み取れなかった。その体型も、その人形のように端正な顔立ちも、女と言えば女だし、男といえば男だった。
とりあえず紛らわしいので、ここではその人物を少年と置きたい
刀を手に持ちながら、少年が歩き出す。その時、
と、叫びながら飛びかかってきた
だが、その次の瞬間、鬼は跡形もなく塵となっていた
さしも大変ではなさそうな調子で言うと、少年は刀をおさめた。
その声も、高いような、低いような、不思議な声だった
というのはともかく、状況から察するに、おそらく見えないほど早い太刀筋で少年が鬼たちの首を斬ったのだろう
その強さが、この少年がただものではないことを物語っていた
そうこうしているうちに東の空がしらばみ始めている
刀についた血を再び一閃して払い、鞘に収める。そして、少年は下山していった
けたましくそう告げる鴉に、先ほどの少年ーーー鬼殺隊空柱・空ノ寺 蒼は驚いた声を上げた
名前もなんとも性別判定しにくい名前である
蒼はこの茶番に思わずため息をついた。この鴉にそれ以上何を聞いても無駄である
ちなみに、この鴉は蒼の鎹鴉、青藍(雄)だ。
連絡はしてくれるのだが、いつも重要なことを教えてくれない
これもそうだ。話し合いの内容が何かを教えてくれない
他にもある
例えば、任務の時にその鬼が何をするかを教えてくれないとか
例えば、呼び出された時になんのことで呼び出されたのか教えてくれなかったりとか
もう慣れてきたが、最初は大いに戸惑った。それに、根はいいやつなのである。蒼はふっと微笑むと、産屋敷邸に足を向けた












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。