死にたい。
消えたい。
楽になりたい。
私の家族には、私は、必要ない。
だって、私には、妹が居て、妹がなんでも、出来るから。
私が出来ないことが出来るから。
双子の妹の和香。
私より、いい名前だった。
私の名前は、美香。
お父さんとお母さんが子供に"和香"と言う名前を付けたくて、妹が、和香、私は、なんとなくで、美香。
そこまで、嬉しい名前では、なかった。
和香は、頭が良くて、運動神経抜群で近所の人にも学校の先生にも同級生にも家族にも誰でも褒めてもらえる。
それに比べて私は、勉強もいい方ではなく、運動そこそこしか出来ない。
だから、いつも褒められて居たのは、双子の妹の和香だった。
でも、和香は、右足がない。交通事故にあって、それから、右足がない。交通事故は、和香が一人で公園に向かって青信号の歩道を歩いていたら、赤信号を無視して走ってきた車に正面衝突して、手術したが、右足が助からず、右足がなくなった。病院から、家に帰ってきた時は、ずっと泣いていた。
「痛かった…痛かった…痛かった…痛かった…」
和香は、ずっと泣いていた。
私は、何も言えなかった。だから、私は、和香の背中を摩っていた。
最初は、義足を付けてなかなか歩けなかったけど、だんだん練習していくうちに私より、運動も出来るようになった。
元々、勉強も出来る和香だったから、いつも、近所の人に
「和香ちゃん、凄いね」
いつも、和香"だけ"が褒められる。
もう、慣れてしまった。なにも、感じなかった。私は、褒められなくて、和香だけが褒められる。いつものことだから。悔しさも悲しさもなにもなかった。
だから、ただ、作り笑いをした。辛くは、なかった。頑張っても、和香には、勝てないって、思ってたから。分かって居たから。知っていたから。
当たり前だよ。和香に勝てることが一つもないから。全て負けるんだから。勉強でも、運動でも。勝ち目がないんだから。
死んだら、楽になれるのかな?
死んでも、和香が居るから、家族は、大丈夫だよね。
和香だけを褒めるなら、私は、初めから、必要なかったのかな?
死んじゃっても、誰も傷つかないよね。
この世で嫌になって居るくらいなら、地獄にでも行って、なにも感じなくなって、楽になった方がいいよね。
私の自由でいいんだよね。
だって、私の人生だから。
私"だけ"で、勝手に決めてもいいんだよね。
「和香、みんなにもっと、褒めてもらってね。」
「和香、私が死ぬのは、私が決めたことで和香は、ちっとも、悪くないからね」
私は、家のベランダから、飛び降りた...













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。