第11話

───出せない
58
2025/08/27 10:00 更新




??? (なまえ)
??? あなた
『 痛いっ…痛いっ… 』
天野 カイト
天野 カイト
『 あなたが悪いことするから…ごめんね 』


 私が悪いことをするたびにカイトから殴られた。



 そして私は" 目隠し "をつけられた。

天野 カイト
天野 カイト
『 あなたは目が見えない可哀想な子 』

 呪文のように毎日言われた。何日も何日も。嫌という程聞かされ続けた私は、目が見えることすら忘れてしまった。



 そうしてカイトとの生活が始まった。


 カイトはいつだって私のことを1番に考えて動いてくれる。
 ご飯もお風呂もカイトがいないとできない。

 今だって、カイトがいないと鎖は外れない。ベッドから降りることすらできない。

??? ???
??? ???
あなた、帰ろう


 私は首を振った。

??? (なまえ)
??? あなた
カイトがいいよって言うか分からない


 親の言う事を守る子どものように、私はカイトの言う事を守る。だってそうしないと殴られるから。怒られるから。

 私はカイトがいないと何もできない。
??? ???
??? ???
アイツは悪いやつなんだよ…!
??? (なまえ)
??? あなた
そんなことないです。
カイトは私のことを守ってくれました
??? ???
??? ???
でも目隠しされて…
??? (なまえ)
??? あなた
目が見えないと思わされたけど
身の回りのことをしてくれたのは
紛れもなくカイトです
??? (なまえ)
??? あなた
カイトは優しい人です


 そんな会話をしている合間に、玄関が開く音がした。入ってきた足音はこちらに向かって音が大きくなる。

 そして部屋の扉が開いた。
天野 カイト
天野 カイト
あなたただい、ま。何これ…
??? (なまえ)
??? あなた
カイト…!おかえり!

 カイトは焦った顔をして、私の前に座った。まるであの人から私を守ってくれるように。
 やっぱりカイトは優しい。
天野 カイト
天野 カイト
何しに来たんだよ
??? ???
??? ???
何しにって…当たり前だろ?
あなたを助けに来たんだよ
天野 カイト
天野 カイト
あなたはなんて言ったの?
??? (なまえ)
??? あなた
カイトがいいよって言わないなら
行かないって言ったよ
天野 カイト
天野 カイト
そっか…。偉いね

 そう言って大きい手で優しく頭を撫でてくれた。
 カイトは温かいな。
??? ???
??? ???
何言ってんの。ただの洗脳で……
天野 カイト
天野 カイト
でもあなたがそう言ったんだろ?
なら洗脳でもなんでもないよ


 カイトの背中を抱きしめ、顔を埋める。


   視界が真っ黒になった 。

 



??? (なまえ)
??? あなた
カイト、私目が見えないよ
可哀想な子だよ。だから助けて





天野 カイト
天野 カイト
これが答えだってよ
??? ???
??? ???
っ…





 数分後、1人の影が消えた。

 最後まで名残惜しそうに私の名前を呼んでいた。きっと記憶がなくなる前はあの人のことを知っていたんだと思う。
 でも今の私はあの人を知らない。

『 どうせ要らない記憶だから消えてしまったんだ 』

 たったそれだけのこと。



天野 カイト
天野 カイト
あなた、もう大丈夫だよ

 顔を上げると優しい笑顔のカイトがこちらを見つめていた。
??? (なまえ)
??? あなた
カイト、私…目が見えたんだね
天野 カイト
天野 カイト
うん。ごめん。

 申し訳なさそうにすふカイトに首を振った。
??? (なまえ)
??? あなた
いつもお風呂に入れてくれたり
ご飯を食べさせてくれてありがとう

 そう言うと嬉しそうな顔をする。

 カイトはそんなにも感情が豊かなんだな。
天野 カイト
天野 カイト
それからどうしたい?
目隠し付けたままか、それとも……
??? (なまえ)
??? あなた
どっちでもいいよ。
カイトはどっちがいい?
天野 カイト
天野 カイト
それなら──
??? (なまえ)
??? あなた
──でもね


??? (なまえ)
??? あなた
カイトの顔が見れたこと、凄く嬉しい



天野 カイト
天野 カイト
じゃあ目隠しはやめよう
??? (なまえ)
??? あなた
うん…!


 私たちはまた新しい生活をスタートさせた。





                       -END-

この後あとがき出します✋

プリ小説オーディオドラマ