第3話

即決次の目標は赤点回避!
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2026/02/20 03:31 更新
放課後の図書室。

静寂の中で、由奈の溜息が響いた。
如月由奈
………はぁ。
広げられた数学のテスト用紙には、
真っ赤な「 2 8 」 という数字が書かれている…。
如月由奈
ねぇ……数学の神様って、
絶対に私のこと嫌いだよね?
如月柚珠奈
神様のせいにする前に…
自分の脳細胞と向き合ってはいかがですか?
由奈さん。
​隣でのんびりと小説をめくっている柚珠奈が、視線すら上げずに言い放つ。
如月優未
あはは……
優未は苦笑いしながら…

自分の「62点」と書かれたテストの答案をそっと隠した。



如月由奈
あのさ、二人とも。
如月由奈
単刀直入に…
どうやったらそんなに点数取れるの?
如月由奈
特に柚珠奈ッ!
如月由奈
授業中、こっそりと小説みたいな本読んでばかりじゃん!
由奈の抗議に、柚珠奈はページにしおりを挟んで…
本を閉じると、淡々と答えた。
如月柚珠奈
私は**貴方**のように…
無防備に眠ったりはしません。
如月柚珠奈
それに授業など、態度さえ良くしていれば問題ありません……。
如月柚珠奈
私は授業を聞いているフリをしながら、
脳内では家で解いたワークの復習をしていますから。
如月柚珠奈
仕組みをパターンとして脳に叩き込めば、
90点程度は余裕ですよ。
如月由奈
聞いてるフリして脳内で復習!?
天才しかできないし…
絶対に可愛くないから無理!


由奈は机に突っ伏した。


如月由奈
私はね、先生の話を一生懸命聞いて、
色ペン使ってノートを取ってるんだよ!?
如月由奈
なのに………………
テストになると頭の中が真っ白になるんだもん!
如月柚珠奈
それは、書くことに満足して理解を放棄している証拠です。
如月柚珠奈
由奈…貴方は要領が悪すぎます。
如月柚珠奈
そんな無駄な努力をする暇があるなら、
家でワークを3周ほど周回したらどうです?
如月由奈
ワークさえやれば余裕って……
そんなの……普通はできないよ…









由奈は溜息をさらに吐いて、今度は優未の方へ詰め寄る。
如月由奈
じゃあ、優未はどうなのさ!






​突然話題を振られた優未は、
ペンを置いて困ったように笑う。
如月優未
ええと……私は、授業もちゃんと聞くし、
ワークも一応一通りはやるかな……。
如月優未
あ…でも、柚珠奈さんみたいにパターン化はできないから、結局いつも平均点くらいになっちゃうんだよね…
如月由奈
ほら! 優未のやり方が普通なんだよ!
柚珠奈が異常なだけ!
由奈が文句を言いながらも、
柚珠奈に突き出されたシャーペンを握る。
如月柚珠奈
はい、お喋りはそこまで…
如月柚珠奈
赤点回避の補習に出たくないのであれば、
今すぐワークの基礎問題を10回解きなさい…
如月由奈
えぇー! 10回も!?
鬼! 筋肉ゴリラ!スパルタ!!!

文句を言いながらも、由奈はペンを走らせ始める。

その横で、優未は二人のやり取りを見ながら、自分の「62」という点数を見て思った。

如月優未
(テストが返されただけで…こんなに盛り上がるのは…初めての体験だよね。)

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