第3話

▷∥③
121
2024/01/14 01:00


ガッツリ久々な投稿です。


完結までよろしくお願いいたします😎。









夏油
夏油



教室の扉を開ければ、悟の席に九条が座っていた。



色のない白い瞳で、私を見つめていた。

いや、睨んでいるのか。


夏油
夏油
早いね。まだ任務まで時間はあるけど


九条は私の問いかけに答えず、そのまま私から目を逸らした。







夏油
夏油
迷子の保護……?
それに私たちが出るんですか
︎︎
すみません!
あの、上層部の関係者らしく……
夏油
夏油
そうですか……。
分かりました
︎︎
本当にすみません……



さて、迷子としてもどこからどこの範囲を探すのか……。


ましてや、誘拐などされればたまったものじゃない。



九条
……身長125cmの女児で、髪は後ろに一つ結びをしている
九条
それで間違いないか



九条が色の無い目で問う。


迷子の年格好は、まだ教えられていなかった。





何故彼は、分かったのだろうか。





︎︎
え!はい!
九条
連れてくる




そう言うと、数秒消えた後、戻ってきた。




今度は、女の子を隣に携えて。








彼は、無表情な男だった。



笑顔は勿論だが、怒った顔も、哀しむ顔も、焦る顔も見たことがない。



不機嫌な顔は、いつもの事だが。







それでも、彼は強い。


一度等級を聞いたときには、「特級」だと嫌そうな顔をして言っていた。



ただ、彼の生徒証明書には、等級が三級と記されていた。






彼は私の疑問に気付いていただろうに、それを答えることはしなかった。













九条
夏油




彼としばらく任務を共にする中で、彼は私の名前を呼んでくれるようになった。




夏油
夏油
どうかしたのかい




九条は、用がある時にしか話しかけては来ない。






用がなければ、例え廊下ですれ違おうとも、目線すら向けてはくれない。






九条
……なんでもない





珍しいことだった。






彼が用もないのに人を呼ぶなんて。














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