第12話

大雨での幸せ
377
2023/09/24 00:34
あなた
さて…帰ろ
もうだいぶ下校時間から時間が経っていて、そろそろ帰らなきゃ行けないな、なんて思っていたはず

ただもう少し終わらせたいものがあるから少しだけ……なんて思ってたら遅い時間になってしまった。
あなた
…雨、降るかな
雨雲レーダーでは降水確率85%…走って帰ればなんとかなる!なんてどこからが湧き出てくる自信のおかげで足を進めた。








































それから歩いて数分、雨がぽたぽたと少し降り出したと思うと雨雲から大粒の雨が頭上から降ってきて

ザー、という音と共に大雨が降り出した。
あなた
最悪だ…
なんていう私の言葉も雨の音でかき消されてしまう。
あなた
こんな時に誰か都合よ…
言葉が詰まって見えたその先には花京院くんが傘をさしてジャージでジュースを買っていた。
あなた
気づくかな
なんて思って手を大きく降ると、何故かこちらに気づき目を見開かれる。

かと思うとすぐジュースを取り出してこちらに走ってくる。
花京院典明
あなたの名字さん?!何をしていたんだこんなところで……もう下校時間はとっくに……
あなた
……分かってるけど、ここでお説教するのはちょっと…
花京院典明
……あ、寒い……ですよね
そう言うと私の冷えた手を優しく包んでから引っ張って私のことを家までリードしてくれる
あなた
いいの?花京院くんの家行っても
花京院典明
…いやじゃあないならいいですが…あなたの名字さんは大丈夫なのかい?
あなた
私は別に特に
そう言うと「そうかい」と嬉しそうに前髪らしきものをフワフワと浮かせて歩く。
あの前髪。凄い可愛らしい。
花京院典明
…?あなたの名字さん、何笑ってるんです?
あなた
ふふ、ごめんごめん、ついつい……
何に笑っていたのか考えては自分のふわふわ浮いている前髪を掴んで顔を茹でダコみたいに真っ赤にして赤面してしまう。
花京院典明
あ、あああのこれは…!
あなた
大丈夫、変ともなんとも思わないし、逆に可愛らしいよ
そう言うと、硬直しては息を吐きしゃがみこんで悶絶してしまう。
あれ、ウブ……?
花京院くんの顔を覗いて大丈夫?と聞こうとしたその時。
変に唇に感触があって目を開くと花京院くんが口角をあげて意地悪そうな顔をしていた。
花京院典明
ふふ、騙されたかい?
あなた
なっ……え、あ…
次は私が顔に熱が集まって、さっきの花京院くんみたいに顔が茹でダコみたいに真っ赤に赤面しているであろう。
花京院典明
恥ずかしがりすぎですよ。ほら、手を
そう言ってさっきより冷えが収まった手を優しく包み込んでは嬉しそうにする花京院くん。私の手を引いてまたエスコートしながら歩いてくれる。
やっぱりこの瞬間が1番の幸せかもしれない。
空条承太郎
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恋愛センス無さすぎてしぬ

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