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第12話

[わがままうさぎの嗜め方]水 × 赤
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2026/03/23 13:52 更新
pixivの再掲 シェアハウス時空
受験合格しました

# 水
うさぎって寂しいと死ぬらしいで
# 赤
それ迷信やぞ

 こさめがふと構って欲しくなって出した話題を、躊躇なくその男はぶった斬った。
# 赤
単純に水飲まんかったってだけで、過去のデータとか見直したら科学的な根拠はねーんだと
# 赤
ま、それで今ペットとしてのうさぎの寿命は伸びてきてるらしいから、結果オーライだよな
# 水
へ、へぇ〜〜……

 こいつ、珍しく空気を読まない。
 スマホを触りながら雑学を披露するなつくんに腹が立ってきて、こさめは膝の上に頭をのっけた。
 ゴンッ、と痛そうな音が鳴る。どうやら成人男性が成人男性の太ももにダイレクトアタックしたことで、骨にもろに当たったらしい。
# 赤
い"って!!
# 赤
てめ、こさめ……
# 水
あのねなつくん!!こさはそういう雑学を求めてんじゃないの!!!
# 水
もっとこう、『そうなのか俺のうさぎちゃん……』みたいなセリフでくるとこやろ!!
# 赤
はあ!?
# 赤
誰が言うかそんなセリ……いででで、わかった、わかったから
# 赤
おま、頭ぐりぐりすんのやめろ!!

 なつくんの膝の骨に不満をぶつけながら頭をぐりぐりと押し付ける。
 なつくんの反論が悲鳴に変わり始めたところで、さすがに痛そうだったから仕方なく彼の膝から起き上がった。
# 赤
……つーか、そういうことはみことに頼めよ
# 赤
唯一の王子担当をここで活かさんでどうする
# 水
みこちゃんは天然やからこういう雰囲気壊してくんねん
# 赤
あー……

 納得、といった表情のなつくん。おそらく彼の頭のなかには、いつものぽやぽやした黄色い王子が浮かんでいるのだろう。

 めんどくさいことになったとぼやくなつくんに、こさめはまた寄りかかる。今度は頭を肩に乗せて。

# 水
なーなー、なつくん
# 水
こさめこのままだと死んじゃうから、甘やかして

 だめ?とらんくんなら即落ちの上目遣いでおねだりする。
 こさめは知っている。普段何でもない顔をしているが、なつくんも割とメンバー大好きで、こさめやみこちゃんの『この顔』に弱い。

 予想通り、なつくんは少し頰を赤らめてこっちを睨んできた。


 これはいける、と勝利を確信してニンマリ笑う。
 しかし彼は、表情を変えずにふっと視線を逸らした。

# 赤
………ワシいま、shortのネタ考えてるけえ
# 水
えぇぇーーー!!?

 まさか、ここまでデレてこないとは思わなかった。
 こんなかわいいこさめにやられたら誰だって甘やかすやろ!?
 らんくんなら光の速さで反応するだろうし、まにきやすっちーも多分、仕方ないって顔してよしよししてくれる。
みこちゃんはちょっと想像つかないけれど。その顔ずるいなあとか言ってくるはず。

# 水
もういいよ!!まにきにやってもらうから!!

 この時間ならおそらく、あのイキリツンデレラッパーは自室にいるはずだ。
 誰かに構ってもらいたいモードMAXのこさめがソファを立とうとした時だった。


# 水
……なつくん?
# 水
ネタ作りやんないの
# 赤
……

 なつくんがこさめの服の裾をくいっと掴んだのである。
 なんやお前、そのツンデレムーブは。さっき今は無理って言ったやろ。
# 赤
……その
# 赤
他のやつんとこ行くなら、ここおれ
# 赤
後ちょっとやけ、そしたら構うから
# 水
……


 なつくんはこさめとは目を合わせずに、下を向いてそう言った。
 しばらく頭の上にハテナが浮かんでいたが、三秒ほど考えて天才のこさめはピンときた。


# 水
(さてはこいつ、寂しかったな?)


 こさめが自分以外のとこいこうとするから。

 急に、寂しくなったな??

# 水
もーなんだよ、寂しがり屋はなつくんじゃーん!!
# 赤
だから、上に乗ってくんな!でかいし重いんだよお前!!


 もう一度なつくんに身体をくっつけて、ソファに沈み込む。
 よく見ると耳の辺りが真っ赤になっているなつくんを見て、思わずニヤニヤしてしまう。


# 水
(うさぎは寂しいと死ぬ、かあ)





 それは迷信かもしれないけど。
 なつくんが可愛いから、こさめはうさぎじゃなくても全然死ねるわ。

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