ひょいっと手を挙げた女子──紫崎メアヒが、のんびりとした口調で話し始める。
え、違うの?
まあ言葉のあやか口から出まかせでしょ。無視無視無視。
言いたいことが伝わるような間をあけて、メアヒが続ける。
ネコは一切感情が揺れずにそう言い放った。
間違いはない。ネコの感情の起伏が空気中に現れなかった。
ネコがぱっとルールを取り出し、こちらとルールを交互に見てから紙をしまう。
え今のは失礼だろ。
周りに関心ないのはまあわかるけど、クラスメイトの名前と顔くらい覚えとけよ。
ネコの周りが、目の痛いほど強い赤に染まった。
同時に真っ黒な場所もでき、だんだんと混ざり合って赤黒い色になる。
そう言って、自分を落ち着かせるように深呼吸を繰り返したネコがゆっくりと目を開ける。
ーどす黒い霧に呑まれながら。
人はみんな等しくあるべきなんだよ、と吐き捨てたネコがボクの隣を睨む。
ナズナが、コトリが、クオッカが頷く。
3人分の意見を受け、こちら側の空気が歪む。
…陣営関係なく、あまり信じられない3人ができるのは痛いなぁ。
隣で、安心感のある凜とした声が響く。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!