第17話

拾陸、 知らない記憶
59
2026/02/24 09:00 更新




















ころん side,




















真菰
私、最終戦別に行くんだ!
氷華ひょうか 胡蘭ころん
、、え?

その日の夕飯、彼女は俺たちに向かってそう告げた

富岡とみおか 義勇ぎゆう
凄いな!真菰!
錆兎
頑張れよ!!

笑顔でそう返す二人を横目に
僕は何も言えなかった
ただただ、言えなかった
開いた口は、のどが渇くばかりで
注いでいた味噌汁を自分の指に零してやっと
自分が冷静でないことに気がついた

氷華ひょうか 胡蘭ころん
あっつッッ!!!
日立ひだち 明璃生あるびお
大丈夫?!
氷華ひょうか 胡蘭ころん
だ、大丈夫大丈夫、、

無唱能力でバレないように手を冷やす
指先の芯まで冷たくなる

氷華ひょうか 宇苑うぇん
はぇ、?
日立ひだち ろう
んむ、、

不思議そうにこっちを見ながら小さなおにぎりを頬張るうぇんとろう
普通の鬼ではありえないが
2人はご飯を食べる
やはりこのような行動が人間を襲わないのとつながってくるのかなと心なしか思う

氷華ひょうか 胡蘭ころん
おめでとう!真菰

ぎこちなく言ったのが分かったのかもしれない
神妙な面持ちになり、

真菰
大丈夫、すぐ帰ってくるよ

そう言った
その言葉に、安心したい
何度もそう思うのに
行かせちゃいけない
そう思っている自分がいる
僕はうぇんくんじゃないのに
未来が見えるわけでもないのに
僕は、この結末を知っている、、?















日立ひだち らい
気を付けてー!
日立ひだち 明璃生あるびお
行ってらっしゃーい!!
氷華ひょうか 颯翔はやと
真菰ならきっと大丈夫
日立ひだち 龍輝りゅうき
早く帰って来いよ~
氷華ひょうか 明楽あきら
頑張ってー!!!
氷華ひょうか 胡蘭ころん
いってらっしゃい!!

そんな不安を打ち消すために
大きな声で見送った




















鱗滝うろこだき左近次さこんじ
真菰が、死んだ
氷華ひょうか 胡蘭ころん
、、、、
氷華ひょうか 明楽あきら
、、うそ、

真菰が死んだ
そう、鱗滝さんからは一言だけ告げられた
辛かった
苦しかった
あの時、止めることができていたら
真菰は死ななかった
真菰が、死んだ
山へと走った
泣いたよ
声が枯れるぐらい
必死に鍛錬したよ
身体が壊れるぐらい
一年経った
僕たちが11歳になった
そんな時だった

富岡とみおか 義勇ぎゆう
最終戦別に行ってくるよ
錆兎
、、

2人が、そう言ったのは
信じたくなかった
だって、同じように思ったんだ
死んじゃうって
ここで引き止められなければ、大切なものが変わってしまう
気がついたら、鱗滝さんにすがっていた

氷華ひょうか 胡蘭ころん
僕も、僕らも最終戦別に連れてってッッ!!ポロポロ

その日が初めてだった
鱗滝さんの前で泣いたのは

鱗滝うろこだき左近次さこんじ
お前はまだ11歳だろう
鱗滝うろこだき左近次さこんじ
しかもはやととりゅうきはまだ九つだ

どんなに泣いても
どんなに縋っても、鱗滝さんは止めた
もちろん、僕の呼吸はまだ未完成だし
他のみんなも発展途上で

錆兎
泣くなよ!男なら!!
富岡とみおか 義勇ぎゆう
行ってきます!
氷華ひょうか 胡蘭ころん
いってらっしゃい、!

僕は、泣き腫らした顔で見送ることしか出来なかった















富岡とみおか 義勇ぎゆう
こ、ろん?
氷華ひょうか 胡蘭ころん
!義勇!よかった、、
富岡とみおか 義勇ぎゆう
さ、びと、、、錆兎、錆兎はッッ?!
氷華ひょうか 胡蘭ころん
ッ、、
氷華ひょうか 胡蘭ころん
、、ごめん

僕が謝ったってどうにもならない
そう、分かっている
それなのに、気がついたらそう言っていた
別にその場にいたわけでもない
ただ、守れなかった
その後悔が一気に押し寄せてくると共に
全身が熱くなった
目の前がくらくらして
普通に座ったままでいられない
心配させるわけには、いかない

氷華ひょうか 胡蘭ころん
ちょっと、席を外します
村田さん
は、はい!

おぼつかない足取りで前へと進む
今まで、病気になんて一回もかかったことがない
今まで感じたことのないような熱さ
目の前には倒れるぷりっつとまぜ太
肩で息をするあるびおに
壁に掴まったらいとあっきぃ
みんな、同じように辛そうにしていて
、朦朧とする意識の中、見たことのない景色が見える
6色に光る何か
高い檀上
広い場所
真っ暗なところに照らされる
何これ、知らない
たくさんの四角い物の前必死に話す誰か
知らない人のはずなのに、見たことのない人のはずなのに
心の中の自分が否定している
これは、ぼく、、?
こ、ろん
り、、、いぬ
るぅ、、と
じぇ、る
な、なも、、り、、
、、さ、とみ、、?
すと、ぷり
僕は
僕は__________




















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