しかし、リウス王は怒りに震え、彼女の言葉を聞き入れることができなかった。「リウス王!」とルウが叫ぶと、リウス王は振り返った。ルウはリウス王の前まで駆け寄り、怒りを込めた声で叫んだ。「あなたは……バカだ!」
リウス王は、ルウが言いたいことを察した。自分が自己満足でしかなく、周りの人に気づきを与えていなかったことを。ルウは、リウス王を掴み、怒りをあらわに続けた。「自分だけで物を見て、周りに目を向けないでいたら、お前はずっと独りぼっちだよ!」
リウス王は怒りを感じながらルウを睨みつけた。しかし、ルウの言葉はリウス王の心に刺さった。本当に自分は、周りの人に無関心だったのだろうか?そう思い始めたリウス王は、ルウに向かって怒鳴り返した。「黙れ!何を勝手に私を知ろうとしているんだ!何も知らないで私を笑うのだ、皆んなもそうだ!」
ルウは悔しさと怒りを感じたが、それでも諦めずにリウス王に向き直り、「違う!そんなことが間違っているんだよ!」と叫んだ。
「…何?」とリウス王が訝しげに尋ねると、ルウは「本当は、一人になりたくなくてナイトを復活させようとしてただろ?そんなことしても代わりなんて出来ないよ!お前は、ずっと一人じゃない!もうずっと側に、ナイトは居たんだよ!!」と言った。
リウス王は混乱した表情で、フェニックスの言葉に耳を疑った。「なっ……お前、何を言って…。」と聞くと、突然、横からフェニックスが現れた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!