体の中で温かな光に包まれる少年、ルウは、自分が何か大切なことを思い出そうとしていることを感じた。しかし、そこには、ガイアとシャドウの激しい戦いが繰り広げられていた。
ガイアは結界の外に出て、シャドウに襲い掛かる。シャドウは避けて睨み合いになる。少年は何かの記憶が霧にかかって思い出せそうだが、ガイアはルウに呼び掛けた。
その時、シャドウが声を上げた。
ガイアはシャドウの攻撃を受け、苦しんでいた。その中でルウは、シャドウとガイアの戦いで自分がカルルという少年で、同じ種族に殺されたことを思い出す。それにより、彼は自分がカルルであることを受け止め、さらに記憶が蘇ってく。
ルウは、頭痛と共に記憶が戻ってくることに戸惑っていた。彼がどこにいるのか、何が起こっているのかすらも思い出せない。しかし、彼の中で何かが動き出し、歯車が回転し始めた。
そんな中、ルウはふとしたきっかけで、自分たちが見た流れ星を思い出す。火竜と一緒に見た美しい流れ星が、なぜか彼の中に深い記憶を呼び覚ましていたのだ。
カルルとシャドウは、綺麗な流れ星を見ていた。その時、二人は願いを込めた。しかし、そこに邪魔してきたガイアによって、シャドウは首に傷を負ってしまう。
しかし、その力には副作用があり、ルウの本体にも影響を及ぼしてしまう。ガイアはこのことを知り、ルウの記憶を抹消してしまおうとする。ルウは、自分が何者かを思い出し、ガイアと戦うためには、記憶を失ってはならないと悟り、必死に記憶を取り戻そうとする。
シャドウとガイアは、霧暗の中で壮絶な戦いを繰り広げていた。シャドウは、尻尾を使ってガイアの足を引っ張り、彼のバランスを崩すことに成功する。そして、ガイアが倒れた隙にシャドウは馬乗りになり、牙を向けようとする。
しかし、その瞬間、ルウが叫ぶ。少年は、シャドウに向かって声を張り上げ、止めるように懇願する。
ガイアは、ルウの声に気づき、驚きと共にシャドウを睨む。シャドウは、グルグルと唸り声を上げるが、ルウの声に心を動かされ、牙を引っ込める。
ルウは、シャドウに向かって手を差し伸べ、和解を申し出る。シャドウとガイアの壮絶な闘いは、ルウの叫び声によって終止符を打たれた。
シャドウは、ルウに向かって手を伸ばして、ガイアの結界にぶつかってしまった。しかし、ルウは、彼が仲間たちに傷つけないことを約束すると、条件付きで彼を信頼することにした。
少年は、結界の外に出て、崖の所に立ち止まり、手を伸ばして微笑んで言った。
その姿は、まるで火竜たちと過ごしていた頃のカルルを思わせるものだった。
シャドウは、ルウをでを差し伸べようとしていた。しかし、その瞬間、黒竜の背後から青い炎柱が現れ、シャドウを倒した。その炎柱を放ったのは、白竜のガイアだった。
ガイアは、シャドウの油断を突き、後ろから回り込んで潜伏することに成功した。しかし、シャドウを倒すことは容易ではなかった。シャドウは、再びルウに手を伸ばそうとしたが、ガイアはシャドウに立ち向かう。
ガイアは再び炎を放ち、シャドウを撃退する。しかし、黒竜は何かを訴えかけるようにルウを見つめた。すると、周囲を取り囲んでいた黒い霧が消え、黒竜は元の姿である火竜に戻った。
ルウは、火竜が弱っているのを見て、心配しながら崖を降りてグルーの元へ走った。グルーはルウに向かって口を開き、自分の悪事を告白する。
ルウはグルーに謝罪し、自分が彼を苦しめたことを詫びた。しかし、少年の謝罪を聞いたグルーは、笑みを浮かべてクスッと笑った。
しかし、ルウがグルーを掴んだ瞬間、火竜の毛並みを掴んでいたはずの手から、何かが消えてしまう。
そして、グルーは笑った表情で砂のようにキラキラと輝かせ、跡型も無く消えた。少年は驚きと哀しみに包まれながら見届ける。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!