言ってしまった。
今まで溜まって膨らんで溢れそうになっていた感情を吐き出したあと、空っぽになった自分の心を抱きしめるように布団にくるまった。
…正直、告白なんてするつもりじゃなかったのに。
君を困らせたくなかったのに。
いつからだろう。
君の存在が僕の中でこんなに大きくなってしまったのは。
・・・
僕は可愛く振る舞う自分が嫌いだ。
こうすればみんなが喜んでくれるから、自分の顔が可愛いから、そうやって接することでしか自分を守れない自分が情けなくて仕方がなかった。
だから、誰にもなびかない君が少し、かっこいいなって気になってたんだ。
ほんとうはもっと君に近づきたい。
ほんとうなら僕は君と同じ側にいる人間のはず。
ほんとうの僕はこんなんじゃないのに。
今まで自分を偽っていたせいで、君が嫌がるような接し方しかできない自分が大嫌いだ。
・・・
この頃はまだ君のことを「ちょっと気になるなー」程度に思っていた。
送ってから少し後悔したけど、待ち合わせに現れた君を見て、思わず息を呑んでしまった。
…可愛い。
……………ん???
もしかして他人だと思われてる?のか??
「 大人っぽくてかっこいい 」
そんなこと学校では誰にも言われたことがなかった。
このまま他人のふりをしていれば君に拒絶されることもないのかな。
そうやって久しぶりに素の自分でいられる時間が心地よくて、つい嘘をついてしまったんだ。
・・・
それから、君のことが頭から離れなくて仕方がなかった。
秋の風が冷たい日、スピーカーを届けにきてくれた君を見て、胸が締め付けられた。
はやく言ってしまいたい。自分があの日のソヌだって。
本当の僕はこういう性格だって。
…でも、拒絶されるのが怖かった。
本当のことを言ってしまったら、君は僕から離れていってしまいそうで。
「 うぉん君 」
本当の君を知っている後輩に嫉妬して、情けなく牽制して、そのくせに自分の気持ちには嘘をついて。
ずるい僕は君の優しさに甘えていたんだ。
本当の君は強くて、優しくて、無邪気で。
僕にないものを埋め合わせてくれるから。
君の二面性に恋をしたのは、僕のほうなんだよ。
ずっと好きだった。
____地味な君も、明るくて無邪気な君も。
偽りだらけの僕を受け入れてくれてありがとう。
愛嬌も強さもない僕に明るく接してくれてありがとう。
ちょっとかっこつけて見栄を張った「俺」と、
弱くてずるい「僕」の間のような自分を拒絶しないでいてくれるだけで充分だった。
でも、これ以上自分の気持ちに嘘はつきたくないから。
最後に「好き」とだけ伝えさせてほしい____












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!