第4話

2.期待を胸にして
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2022/07/14 23:20
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担 任
えー、入学おめでとうございます。
担 任
担任を務めます、松田です。
慣れない机と、慣れない空気感に誰もが緊張をしていることだろう。
そう、この剣持刀也もだ。
既に寝そうな顔をしている奴や、無駄に背筋を伸ばしまくって担任にアピールしている奴。
あいつよりはマシだろ。なんて思いながら担任の話を聞き流した。
担 任
それでは…自己紹介と行きましょうか!
出席番号順に自己紹介を促した担任の合図で、1番前の男子が立った。
ま、興味無いけど。
と、視線を斜め後ろに向けた時だった。











窓からの風で美しくなびく黒いポニーテール。






何を捉えているのか分からない、綺麗で吸い込まれるような目。







触れたらサラサラと無くなってしまいそうなほど、儚く感じる肌。









__バチッと僕の中の何かが始まったような気がした。








どれだけの時間、彼女を見つめていたのか分からないが、



目が合った途端、何故か「しまった」と感じ、目を逸らした僕の耳は少し熱く感じた。

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