第7話

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2023/09/14 09:21
阿部side

俺は毎日あなたのとこに行った


なんとなく家族には会ってることがバレたくなくて
家族が来る時間には特に気をつけて行き来した


あなたについていくつか知ったことは


年齢は25歳だって
大学生ぐらいだと思ってたからちょっと驚いた


仕事は振り付け師
これを聞いた時は反応に困った


だって右足麻痺してるんでしょ?
これから仕事どうすんだろ


あと推し?がいるらしくて
ジャニーズジュニアの松本潤って人らしい


この人と同じ空見てると思うとリハビリ頑張れるんだって


ちょっと、ほんのちょっとだけムッとした


この気持ちがなんなのか当時は分からなかった















今思うと嫉妬だよね














とある日の朝起きたら大雨が降っていた


あなたに会えない


咄嗟に思ったことがそれだった


今日は親も来ない日
どうやって過ごそうか


考えた結果あなたを探すことにした









『……どうしよう』

結構探した


色んな科をまわったけど見つからない


病室を見ても苗字を知らないことを思い出して
立ち往生するばかり


なんでだろうイライラする


悩んでると俺の主治医にばったり会った

医者「あれ?阿部くん、こんなとこでどうしたの?」

『先生こんにちは、人探してて』

医者「お友達?」

なんて答えたらいいかわからない


友達なのか?
よくよく考えると5歳と25歳だぞ


返答に困ってると

あなた「あれ?亮平じゃん、なんでこんなとこにいるの?」

『あ。』

先生の後ろからひょっこりあなたが現れた

医者「えっと、探してた人?」

『うん』

あなた「あ、どうも」

『行こ』

あなた「え?どこに?ちょっと?」
びっくりしてる先生を尻目にあなたの服の裾を引っ張って俺はその場から去った

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