___ 하오 side
あれから放課後になって ,
勉強して帰ろうと図書館に向かっていると
曲がり角であなたと出会した .
こんなほんの少しの会話でも
何だか心が温かくなる .
僕を 先輩 って呼んでくれることも
いつも笑顔で話してくれることも .
… それだけで十分幸せなはずなのに ,
あなたが不意に小さくそう言った .
視線の先 , 少し離れたところで
ハンビナが後輩に囲まれている .
その光景を , あなたはほんの一瞬見つめて
また僕の方へと笑顔を戻す .
僕を見てくれているけど , 心はあっちにあるんじゃないか
そう思ってしまった .
心配そうにのぞき込んでくるあなた .
普段との違いにすぐ気付いてくれることに
少しばかり嬉しく思いながらも胸が痛む .
あなたは本当に優しい .
僕が少しでも暗い顔をすれば
こうやって気づいて , 心配してくれる .
でも ,
そう答えるしかできなかった .
それ以上は言えない .
本当はハンビナの方が気になって仕方がないんでしょ?
なんて , 本音を投げる勇気はなかった .
あなたは僕の答えに よかった と安心したように笑った .
その笑顔を見られるだけで十分だと
僕は自分に言い聞かせた .
…… もう気付いてる .
もしかしたらあなた自身は
まだ気付いてないのかもしれないけれど
あなたの瞳の奥に僕じゃない誰かがいること .
でも , 僕にはそれを責めることも
確かめることもできなかった .














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。