第64話

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2025/10/13 14:00 更新







 終礼が終わって

 皆んながざわざわと帰り支度を始める .

 私は意を決して隣の席のユジンに声をかけようとした .



나
ユジン  ,  あの  …        




 でも , ユジンは私の声より先に

 椅子を引いて , カバンを肩にかける .

 そして振り返ることなく

 そのまま教室の出口へと歩いて行ってしまった .



나
…  っ  ,        




 いつもなら一緒に帰ってたのに …

 胸の奥がぎゅっと締め付けられた .

 私は一人でカバンを持ち , 教室を出る .

 下駄箱で靴を履き替え , 校門を出た時

 ぽつりと冷たいものが頬に落ちた .



나
え  …  雨  … ?  




 空を見上げた瞬間

 大粒の雨が降り注いでくる .

 今日は寝坊して時間がなかったから

 天気予報を見ずに来てしまい

 当たり前に傘なんて持ってきていない .

 慌てて走ったけど , 数秒もしないうちに

 制服も髪もぐっしょり濡れてしまった .

 水の冷たさに身をすくめながら歩き続ける .

 気づけば , 視界がまた滲んでいた .



나
なんで  …        




 私のせいで , ユジンも

 ハオ先輩も , ハンビン先輩も

 皆んなが傷付いてるんだと思うと

 一度溢れ出た涙を止めることはできなかった .







 雨に打たれていることも

 びしょ濡れになっていることも気にせず

 一人で歩いていると ,

 背後から駆けてくる足音がした .

 次の瞬間 , 自分に降り注いでいた雨がぴたりと止む .



 驚いて顔を上げると

 ユジンが傘を差し出して立っていた .

 そのまま , ユジンは無言で

 カバンからタオルを出して私の肩にかけてくれる .



나
…  っ!  




 突然の温もりに , 思わず胸が詰まった .

 ユジンは眉をひそめると小さくため息をつく .



유진
유진
  ばか 
유진
유진
  何してんの  ,  こんな雨の中
유진
유진
  風邪ひくじゃん




 その声は呆れたようで ,

 でもどこか優しかった .



나
…  だって  ,  ユジンが
先に帰っちゃったから  




 そう答えると ,

 ユジンはきょとんとした表情を浮かべる .



유진
유진
  は?
유진
유진
  俺  ,  終礼のあと担任に
  呼び出されてたじゃん
유진
유진
  …  聞いてなかったの?

나
…  え  




 知らなかった .

 てっきり , 怒ったまま帰ったんだと思って ……

 言葉を失う私を見て , ユジンは小さく笑ったあと

 真剣な表情になり , 私をじっと見つめた .



유진
유진
  …  ごめんあなた  ,  昼  ,  言いすぎた




 雨音の中で , ユジンの低い声が

 真っ直ぐに胸に届く .

 私は慌てて首を振った .



나
ううん  ,  私こそ  …  ごめん  
나
思わせぶりって思われるようなこと  
しちゃってたんだと思う

유진
유진
  ……




 ユジンは一瞬黙り込んだけれど

 すぐに小さく笑って , 私の頭をぽんと撫でた .



유진
유진
  なら  ,  おあいこってことで  ㅎ




 その何気ない仕草に , 胸が温かくなる .

 さっきまで胸が締め付けられるように

 苦しかったけれど , ふっと軽くなったような気がした .



유진
유진
  ハオヒョンのこと  ,  気にしてんでしょ
유진
유진
  それ  ,  俺が聞いてみる

나
…  ユジンが?  

유진
유진
  あなたが悩むより
  俺が直接聞いた方がいいから




 その言葉に ,

 涙がまた込み上げそうになった .



나
…  うん  ,  お願いするね  




 そう答えると ,

 ユジンは微笑みながら頷いた .

 小さな折り畳み傘で , しかも

 ユジンが私の方に傘を傾けてくれていたから

 家に着いた頃にはユジンもびしょ濡れで

 お母さんに心配されながら

 2人であったかいココアを飲んだ .










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