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第2話

バームクーヘンは苦手です
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2024/11/03 03:01 更新
煌びやかに舞う花弁達

聖なる教会で祝辞を述べる今の僕
山田太郎
(きっと、ここに居る人達は純粋な祝いの言葉を発せるのだろう)
僕はどうだろうか
山田太郎
(嗚呼、こんなことなら友人スピーチなんて受けなければ良かった)
ついさっきまで名前も知らなかったあの人には憎みの感情ばかり。
きっと僕はここには居られない
かんぱーい!

グラスとグラスがぶつかり合う音を聞きながら
僕は後悔に明け暮れていた
要圭
いや〜まさかあなたの下の名前ちゃんが1番に結婚するなんてね〜
藤堂葵
てっきりヤマが1番に結婚するんかと思ってたからな
千早瞬平
あ、それ分かります。
あなた
やはりあなたの一人称にはモテの才能があったんでしょ
山田太郎
...
愛想笑いすら出来なかった。
涙を堪えるのに精一杯だった。
要圭
ヤマちゃん?大丈夫?
山田太郎
え、ああ
うん。大丈夫だよ
いけない。後悔は家に帰ってからだ。
そもそもこの感情を持ったとき、墓場まで持っていくと誓ったのは僕なのだから
正直結婚式の様子はあんまり覚えてはいない
だけど、上手く笑えてたと思う
山田太郎
引出物なんて要らなかったのに...
バームクーヘンは塩辛かった。
あなた
...きて
あなた
太郎くん。起きて
山田太郎
へっ!?
あなた
寝たと思ったら泣いちゃうし、凄くびっくりした。
山田太郎
え、あー...ちょっと嫌な夢見ちゃって
あれ夢だったのか...妙にリアルだったな
あなた
え、誰?誰が太郎くんを泣かせたの?
やっぱり野球部?〆る?
山田太郎
あはは
野球部の事じゃないし〆なくていいよ
あなた
そう...
まあ、そんな心配しなくてもこんな必死な姿は僕しか見れないか
夢の僕は可哀想だな
山田太郎
(けどバームクーヘンはもう御免だ)

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