いつものルーティーンをこなして練習場へ行くと、
そこには書類を持ったスタッフさんが立っていた。
だって言えるわけないじゃん!
任務からの帰り道で襲われたから、
対応してて寝れなかったなんて!!
あーもう、めちゃくちゃ頭痛い。後で仮眠しよ。
スタッフさんが、1枚の紙を差し出す。
そうか。もう、“戻れない” ところまで来ちゃったんだ。
大阪、東京、福岡、そして愛知と進んでいくらしい。
日付を見ながら、私は昨晩の会話を脳内再生させる。
まずい…………………!?
私が任務の日付を間違えるわけない。
スマホのメモを見ても、記憶の日付と一致する。
そしてそれは、「ライブの日付」でもあった。
なんでこんなピンポイントで被ってるの!?
東京公演と愛知公演はないけど、大阪と福岡って…………………
表向きには楽しそうな顔をしておき、内心苛立っている。
…………………ボス、意図的に被せたよね?
ライブで消費する体力は、10時間は寝なくちゃ戻らない。
公演自体連続してるし、リハの時間も考えたら…………………
私、エナドリ生活になるのかなぁ……………………
でもでも、「調査」としか言ってなかったし!
もしかしたらさっさと帰れるかも………………?
そんな淡い期待を抱きながら、偽りの顔を見せていた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!