同じように彼女も顔を赤くし、こちらを見つめていた。
もしツルが隣人でなかったらなんて考えられない。
小さな声でそう言うツル。
二人の顔は真っ赤だった。
こちらを指差して、ツルは言う。
目を背け、俯いているツルの耳は真っ赤だった。
そしてなぜかツンツンされる。
ツンツンしてデレる。
ツンデレか。
いや、今はそれどころじゃなくてー!
目を見開く驚くツル。
そして怒る。
…でも顔はとても笑っていて…嬉しそうだった。
頭の中は真っ白。
何も考えずにそんな事を言う。
こう見えても恥ずかしくて何も考えられないんだよ!!
息を呑み、振られる覚悟でツルの目を見る。
思わず大きな声でそう言った。
振られるどころか結婚を願い出されるなんて思ってもいなかったから、かなり驚いたが。
笑いながらそう言うツル。
思わず俺は飛び起き。
アメリカンジョークかただの冗談かなんかどうでもよくて!
つい俺も笑ってしまう。
さっきまでの恥ずかしさとか、そんなものは笑いでぶっ飛ばされた。
…やっぱりこの人が好きだな。
…このままずっと話していたいし、一緒にいたい。
…そして何より
この笑顔を見たい。
…そして守りたい。
俺は今一度、自分の気持ちに気がついたのだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。