第17話

十七話
18
2022/01/30 09:23
津野旋毛
津野旋毛
な、ナマさん…!
野並誠
……。
同じように彼女も顔を赤くし、こちらを見つめていた。
野並誠
…ツルが隣人でよかったよ、本当に。
もしツルが隣人でなかったらなんて考えられない。
津野旋毛
津野旋毛
…っ!
津野旋毛
津野旋毛
私…も…だし。
小さな声でそう言うツル。
二人の顔は真っ赤だった。
津野旋毛
津野旋毛
…。
こちらを指差して、ツルは言う。
津野旋毛
津野旋毛
…ナマさんは物好きだなぁ…
津野旋毛
津野旋毛
…ほんとに…もう。
目を背け、俯いているツルの耳は真っ赤だった。
野並誠
…でも本気だぞ?
津野旋毛
津野旋毛
…ばーか!分かってる!!
そしてなぜかツンツンされる。
ツンツンしてデレる。
ツンデレか。
いや、今はそれどころじゃなくてー!
野並誠
つ、ツルは…どうなんだよ。
津野旋毛
津野旋毛
…はひっ!?
目を見開く驚くツル。
津野旋毛
津野旋毛
…分かってるでしょ!
そして怒る。
…でも顔はとても笑っていて…嬉しそうだった。
野並誠
…でも!
津野旋毛
津野旋毛
…?
野並誠
これじゃ俺が一方的に想いをぶつけてるだけだから…だからとりあえず振っといてくれ。
頭の中は真っ白。

何も考えずにそんな事を言う。

こう見えても恥ずかしくて何も考えられないんだよ!!
津野旋毛
津野旋毛
…む。
津野旋毛
津野旋毛
なら、ナマさん。
野並誠
…ごくり…
息を呑み、振られる覚悟でツルの目を見る。
津野旋毛
津野旋毛
…とりあえず、結婚しよう。
野並誠
…はぁ!?何を!?!
思わず大きな声でそう言った。

振られるどころか結婚を願い出されるなんて思ってもいなかったから、かなり驚いたが。
津野旋毛
津野旋毛
…じょーだんだよー笑
私まだ17歳だからできないよ!
笑いながらそう言うツル。
思わず俺は飛び起き。
野並誠
冗談でも言うことじゃねえだろ!?
津野旋毛
津野旋毛
…んへへ、アメリカンジョークだよアメリカンジョーク。
アメリカンジョークかただの冗談かなんかどうでもよくて!
野並誠
…あのなぁ…もう。
つい俺も笑ってしまう。
さっきまでの恥ずかしさとか、そんなものは笑いでぶっ飛ばされた。
…やっぱりこの人が好きだな。
…このままずっと話していたいし、一緒にいたい。
…そして何より
津野旋毛
津野旋毛
…んへへー。
この笑顔を見たい。
…そして守りたい。
俺は今一度、自分の気持ちに気がついたのだった。

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