第7話

6-恋敵
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2025/02/08 09:00 更新












ダリが宣戦布告をされたのは、去年の事だった。

冬も深まり、外には雪がチラつく。
そんな風景を見ながら、ダリは廊下を歩いていた。

ダリ
(あ、あなた先生だ。)

目の前をゆったり歩くあなたが目に入り、
駆け寄ろうと足を前に踏み出した。
しかし、その足はすぐに止まることになる。




ダリ
(誰だ、あの生徒。)

あなたの隣で優しく笑う生徒がいた。
制服からは2年生だと見受けられるが、
ダリにはあまり記憶にない生徒だ。
あなたも楽しそうに笑っている。





ダリはそれが気に食わなかった。
思いを寄せる相手が、異性と楽しそうに話している。
それを見て、楽しいわけが無いだろう。

イラつきを深呼吸で抑え、
貼り付けた笑顔で二人に近寄った。

ダリ
あなた先生っ。
あなた
ダリ先生。
ダリ
お昼食べない?
まだ食べてなかったよね。
あなた
いいですよ。

チラリと生徒の方を見ると、
そちらもこっちを見ていたようで、
怪しく笑う瞳と目が合った。

あなた
ごめんね、分からないことがあったら
また聞いて!
キリヲ
ええ。すぐにでも。

あなたは生徒に手を振ってこちらへ歩いてきた。
そのままダリを通り過ぎていった。

あなた
置いていきますよ!
ダリ
はーいはい。




ダリ
……。
キリヲ
…ははは、お互い様ですなあ。
ダリ
何が?

冷たい目で見やると「ひい、怖いわあ」と
揶揄いかわからないが言葉が飛んできた。

キリヲ
好きなんよ、あのヒトが。
ダリ
教師と生徒の恋愛は禁止だよ。
キリヲ
職場恋愛もどうかと思いますけどなぁ。

遠くであなた先生が僕のことを呼んでいるので
早く行きたいが、生徒をどうにかしなければ。

キリヲ
ま、結局はあなた先生次第ですわ。
奪うのは得意なんでな。
なんて言うんやっけ、恋敵?
キリヲ
よろしゅうな、ダリ先生。
ダリ
宜しくするつもりは無いよ。

その日の昼ごはんは、いつもより味気なかった。















だから、今年の師団パーティで捕まった彼を見て
安心した自分がいたのは自然なことだ。

アミィ・キリヲ。
3年間目立った行動は無く、他の生徒よりも
魔力が少ないのがコンプレックスだった。
師団パーティで学校を爆破しかけたところを
入間くんに阻止され、教師たちに囲まれている。

笑う瞳は一般悪魔とはどこか違う、堕ちた目だった。
捕まるというのに、計画が台無しになるというのに
この悪魔は余裕綽々しゃくしゃくに笑みを浮かべている。
教師たちは尚更顔を顰めたが、
それを見てキリヲは満足そうにまた笑った。

キリヲ
あなた先生が好きなんは、
昔仲良うかった子と
似てたからなんですわ。
ダリ
……。
キリヲ
ふふふ、優しい子やった。

嫌がらせのつもりだろうか。

キリヲ
んで、その子と重なって…。

堕ちた目が僕を貫く。

キリヲ
先生の苦しむ顔が見たかったねん。
キリヲ
やから、それ気づいた日から
目で追ってまうしなあ…。
キリヲ
これって恋って言うんやろ、先生。

何を言っているんだこの男は。
くだらない。
心底呆れたが、同時に怒りがふつふつと沸いてきた。
こんな男と同じ「恋敵」とまとめられるなんて
絶対に許すわけが無い。
拳を強く握りしめ、その場を去る。

キリヲ
まだ諦めてへんよ、ダリ先生。

そんなことは知らない。
生徒と教師は恋愛ができない。
それに、キリヲは全くあなたのことを分かってない。
僕の歩みは止めないが、彼の口も止まらなかった。

キリヲ
僕があなた先生を手に入れて、
一番に食べてやりますわ。
キリヲ
ずーっと、ずーぅっと
狙っとる。

ダリ
口は謹んで。
キリヲ
はは、恋敵やもんなあ。



















アミィ・キリヲが捕まったと聞いたあなた先生は
少し悲しそうな顔をしていた。
それを見てまたイラついてしまったが、
「大事な生徒だったから」と言うので
好意は無いと確信した。
残念だったな、と心の中でほくそ笑んだ。
我ながら性格悪いな。

というのが、半年前。

ダリ
これ、調査頼むよ。

先程バラバラにしたイヤリングの調査が必要だ。
先生たちが欠片を回収していくすぐ側で、
あなた先生のことが引っかかった。

あなた
……。

ダリ
(……なんで、そんな悲しい顔するの。)


それがあの男に向けた表情なら許せない。
僕が一番アピールしてるし、一番大切にしてる。
なのに、なんで。














 







キリヲ
…ああ、あのイヤリング
壊されてもうた。

耳飾りの金属を触りながら、
キリヲは残念そうに笑った。

バール
イヤリング?
キリヲ
ん?好きな人に贈ったんです。
あの人は勘がいいんですわ。
もし"何か気づいたら"、
電撃が走るようにしとりまして。
バール
じゃあウエトトの奴のことが
バレてたってことか?
キリヲ
でももう忘れとりますよ。
ふふ、見たかったわあ…
あなた先生の顔。

二人の会話が一つ終わると、
向こうから足音が聞こえた。
二人の仲間と、一人の背の高い悪魔。
バールは満足気にニヤリと笑った。

ポロ
なによここ、趣味悪いわねぇ。
バール
ハッ、音魔様のお出ましだぜ。
キリヲ
ほんまや。
ようここまでいらっしゃったなあ。

影で、悪が動き出していた。













_@_
全員口調が分からなくなってきました

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