第24話

独りぼっちの少女へ
696
2021/09/16 18:08
あなたside


やった、触れた。

人の手が怖くない

気持ち悪くない。

あの恐怖は克服した?
葵(なまえ)
葵あなた
ありがとう、みんな。
全員
おう!
葵(なまえ)
葵あなた
木葉さん、ありがとね。今も昔も
木葉
木葉
俺は何にもしてねぇよ。
葵(なまえ)
葵あなた
相変わらず、私に安心をもたらしてくれるね。
木葉
木葉
へ?
葵(なまえ)
葵あなた
何でもなーい笑
ルル
あら、感動の再会はもう終わり?
葵(なまえ)
葵あなた
大丈夫、もうこの人のことは怖くない。
怯えなくていい。

私はあの時みたいに一人じゃないから。
木葉
木葉
何しに来やがった!?
私の前に立つ木葉さん。

あぁ、前もこんな風に守ってもらったな。
ルル
そんなにカリカリしないでよ。
赤葦
赤葦
ルル……
ルル
久しぶり!京治!!
赤葦
赤葦
何しに来たんですか。
ルル
京治に会いに?だって私彼女でしょ?
ルル
あとは、そうだなぁ。あなたちゃんにも会いたかったから!ニコッ
葵(なまえ)
葵あなた
ビクッ
木葉
木葉
ギュッ…大丈夫、大丈夫だから…。
木葉さんは、私の手を握る。
安心する温かさ。
葵(なまえ)
葵あなた
うん、大丈夫だよ。
手を握り返し、隣に立つ。
木葉
木葉
葵(なまえ)
葵あなた
守られるだけは嫌。
私だって誰かを守りたい。
木葉
木葉
フッ……お前らしいよ。
木葉
木葉
(そうだ、お前はそういう女だよな。)
赤葦
赤葦
ルル、俺たちの関係はもう終わりました。
ルル
何言ってるの?
赤葦
赤葦
ルルがあなたをイジメて警察に捕まったとき、俺は呆然としました。
ルル
え?待ってよ、ちょっ、京治?
先生
先生
こちらへ来なさい。
モブ1
モブ1
離せよ!!
モブ
モブ
私たちは悪くないんだから!!
ルル
っ何するのよ!
警察
とりあえず、校長室で話聞かせてもらうよ。
赤葦
赤葦
ルル……!?
先生
先生
赤葦下がりなさい!!
赤葦
赤葦
先生、どういうことですか!?
先生
先生
……向こうで話そう。
ルルの彼氏が俺だからか、先生は説明をしてくれた。

その話は信じ難いものだった。

赤葦
赤葦
そんな……
あなたは何も悪くなくて、、

ルルがあなたをイジメてた……?

ルルの言葉は嘘で、あなたが本当のことを言ってた。

いじめの内容までは教えてくれなかったが、
警察まで来ているんだ、相当な内容なのだろうと予想はできた。
赤葦
赤葦
ありがとうございます……失礼します。
先生
先生
赤葦……
部活の時間になってもルルは帰ってこなくて

部員のみんなが俺に声をかけた。
赤葦
赤葦
俺は…なんてことを
梟谷
赤葦、悔やむ気持ちも分かるけどさ
赤葦
赤葦
分かるはずないじゃないですか。
赤葦
赤葦
俺が、あなたを追い詰めた。
赤葦
赤葦
俺のせいであなたは傷ついた。
あなたの想いは知ってた。

知ってて突き放した。

最低だ……。
木葉
木葉
グッ……いい加減にしろよ!!!!
木葉さんは俺の胸ぐらを掴む。
赤葦
赤葦
何するんですか。
木兎
木兎
木葉
木葉
木葉
後悔?罪悪感?んなもん!ここにいる奴ら全員してんだよ!!
木葉
木葉
自分だけのせいにすんな。
赤葦
赤葦
ッ…すみません、少し頭冷やしてきます。
そのまま、ルルは警察に連行されていった。

やるせない気持ちでバレーを取り組んでいく。

いつもみたいな明るい声が聞こえなくて、ミスが増えて数ヶ月経っていった。
赤葦
赤葦
そして今、目の前に君がいる。
赤葦
赤葦
ごめん、ごめんね……あなた。
葵(なまえ)
葵あなた
……
想いの拒絶、か。
分かってたけど、直接聞くのはキッついなぁ笑
葵(なまえ)
葵あなた
赦さないよ。
赤葦
赤葦
ビクッ(当たり前だ、赦してもらう権利なんてない。)
葵(なまえ)
葵あなた
"今は"ね。
だから謝罪の言葉も今は要らなかったんだけどなぁ。
赤葦
赤葦
何でそんな、期待させるようなこと言うんだよ……
別に嘘は言ってない。
葵(なまえ)
葵あなた
そんな事より、ルル先輩
ルル
何よ……
葵(なまえ)
葵あなた
あなたは私に会いたいと言った。会った感想をどうぞ?
ルル
最悪。
葵(なまえ)
葵あなた
っていうか、ずっと見てたんでしょ?私がソラだってことも分かってるはず。
ルル
あんた、、あなたは死んだって言ったよね?
葵(なまえ)
葵あなた
うん、言いましたよ?
ルル
あれは嘘だったのね?
葵(なまえ)
葵あなた
いーえ!嘘じゃありません。
葵(なまえ)
葵あなた
君たちが殺した。
葵(なまえ)
葵あなた
そして二回目。
葵(なまえ)
葵あなた
あんたは言った。あなたは男好きで汚い…女としての価値もないって。
葵(なまえ)
葵あなた
その言葉で、あなたは死んだ。
葵(なまえ)
葵あなた
そして、生き返った。
葵(なまえ)
葵あなた
ここにいるみんなのおかげでね。
ルル
『死んだ』ってそういうこと……
葵(なまえ)
葵あなた
うんうん、やっと理解が追いついた?
ルル
イラッ
葵(なまえ)
葵あなた
どうする?あんたに勝ち目は無いよ。
ルルは私を殺そうとするはずだ。
これで他に危害が及ばない。
ルルside
ルル
京治は私のモノよ。誰にも奪わせナい。あなた、絶対にコろシてやる。
木葉
木葉
バッ……!
葵(なまえ)
葵あなた
大丈夫、
木葉
木葉
(黙って守られとけって言っても意味無いんだろ?お前の場合。)
赤葦
赤葦
ルル!!
ルル
っ、
赤葦
赤葦
もう終わりにしよう?
ルル
けい、じ……
何を終わりにするの。ヤダよ……
赤葦
赤葦
ごめん、ルルの気持ちを考えてなかった。
ルル
京治も、嘘つきだ……
赤葦
赤葦
え?
あの頃のあなたも京治も誰も気づいてなかった。

でも、ルル わ た し は気づいてしまった。

あなたの京治への想いと

少しずつ京治があなたに惹かれていってることを。

この時覚えた

あなたへの激しい嫉妬、殺意。
ルル
ポロッ、やだ。嫌だ嫌だ。京治が離れるなら!ルルは死んでやる!!
ずっと側にいてよ……!独りにしないでよ……
赤葦
赤葦
ッお願い、ルル。
赤葦
赤葦
もう誰も傷つけないで。
赤葦
赤葦
あなたも、ルル自身も。
ルル
なんで、なンで
ナンデ。

何モ上手くいかなイ。

京治は私から離れテいくし、

あノ時みタイに私ノ周りニは誰モいない。

ミンナ、向こう側だ。
赤葦
赤葦
ルル……?
葵(なまえ)
葵あなた
…?
ルル
ズルい……
ズルいズルいズルい……!!!!

ナンデあのおンナはミンナに囲まれていて

ルルの周りにはだレもイナい?

……京治を奪っタ、私ノ全てを奪ッた、

あのオンナは…あオい、あなただけは許サナイ。

でも、あなたを殺しても意味がナイ。

…だかラ

アイツの大切な奴を奪っテヤル。
ルル
うわぁぁ゛ぁ゛ぁ゛
ある人物へと一直線に走る。
赤葦
赤葦
ハッ!木葉さん!!
木兎
木兎
木葉!危ない……!!
木葉
木葉
っ、グイッ……!?
ルル
これで……!!
木葉
木葉
やめろ!っあなた……
ザクッ
葵(なまえ)
葵あなた
ッ゛……
ルル
木葉
木葉
あ…ボロッポロ
木葉
木葉
(あ゛ぁ……また助けれなかった。)
ルル
ぁ…は、あははw
ルル
ははっ、あはw
刺す相手は違ったけど、結果良ければ全てよしだよネ?
木葉
木葉
てめぇだけ、許さねぇ……
木葉さんはずっとあなたのことを想っているんだね。

だカラ、殺そうとした。
葵(なまえ)
葵あなた
木葉さん!!
葵(なまえ)
葵あなた
大丈夫
木葉
木葉
あなたside


一瞬のことなのにスローモーションみたいに見えた。

私を刺したあの瞬間、ルルの顔が脳裏から離れない。
赤葦
赤葦
あなた……!
全員
早く救急車……!
葵(なまえ)
葵あなた
大丈夫っ、だから。
黒尾
黒尾
大丈夫ってお前……!
体育館の床の一部は、血が垂れて

ガシャンっとにナイフが床に落ちる。
葵(なまえ)
葵あなた
ルル
ルル
ビクッ、何よ!私はあんたを刺すつもりなんて……!
説教でもするつもり?
葵(なまえ)
葵あなた
私を刺すつもりが無くても、ハァ、木葉さんを刺そうとした。っ
葵(なまえ)
葵あなた
それは同じことでしょ。
ルル
っそもそも、あんたが!
ルル
(私のモノを奪ったから……!)
葵(なまえ)
葵あなた
違うよ、ルル。
葵(なまえ)
葵あなた
今、あんたの傍に誰もいないのは
葵(なまえ)
葵あなた
奪ったんじゃない、
葵(なまえ)
葵あなた
あんた自身が、それを壊したんだよ。
ルル
っ、あんたさえいなければ
ルル
"それ"が壊れる必要はなかった!!
葵(なまえ)
葵あなた
そんなこと言ったら、キリがないよ。
葵(なまえ)
葵あなた
(あんたがいなければ、私が壊れる必要もなかった。)
ルル
葵(なまえ)
葵あなた
違う?
ルル
それ、は。
葵(なまえ)
葵あなた
これ以上、誰も傷つけないで。
葵(なまえ)
葵あなた
周りの人も自分自身も両方を大切にしてよ。
葵(なまえ)
葵あなた
これ以上罪を重ねるなよ……!
ルル
そんなの…できるわけn
葵(なまえ)
葵あなた
できるできないの話じゃない!やるんだよ。
やってもないのに、『できない』と決めつけんな。

あんたが罪を重ねて、喜ぶ人間なんていない。

『できない』じゃ更生なんて一生無理だ。
葵(なまえ)
葵あなた
私は、あんたのことを赦さない。一生ね。
葵(なまえ)
葵あなた
あんたも、私のこと憎いままでいい、嫌ってていいっ…から……ギュッ
片手でルルを抱き寄せる。
ルル
何を……
葵(なまえ)
葵あなた
だから、
葵(なまえ)
葵あなた
罪を償って。
葵(なまえ)
葵あなた
そして、前を向いて生きて。
一瞬だったけど、

あんな悲しい顔すんなら

更生できるから、絶対。
ルル
っなんなの、何であんたなの。
葵(なまえ)
葵あなた
ルル
嫌いだ…
ルル
あなたも京治も、みんな嫌いだ。
ルル
みんなみんな、大っ嫌いだ。
葵(なまえ)
葵あなた
…だから殺すの?
ルル
葵(なまえ)
葵あなた
自分が"気に入らない"…それだけのために人の人生を壊すの?
ルル
あんたに何が分かるのよ!
葵(なまえ)
葵あなた
パシンッ___しろよ
ルル
な……
ルルは叩かれた頬を抑えている。
葵(なまえ)
葵あなた
いい加減にしろよ。
葵(なまえ)
葵あなた
命は、あんたのオモチャじゃないんだよ。
葵(なまえ)
葵あなた
みんなにも理不尽なことあるし、今この現状も理不尽だって思ってる。
葵(なまえ)
葵あなた
耐えろなんて言わない、だけどあんたがそれを続ける限り
葵(なまえ)
葵あなた
あんたの傍には、誰もいなくなるよ。
ルル
何様……?
葵(なまえ)
葵あなた
……あんた、それでもいいの?ジッ
ルル
っ、怖いよ……なんも知らないくせにあなたちゃんに何がわかるっていうの。
葵(なまえ)
葵あなた
確かにルルのことは知らないけどさ…
葵(なまえ)
葵あなた
どれが嘘で本当のことなのかぐらいは分かるよ。
ルル
っ怖い、私独りはやだよ。怖いよぉ。
っ…大丈夫、もう少し我慢だよ。
木葉
木葉
(!あなた、ずっと傷口を握りしめてる……。)
葵(なまえ)
葵あなた
甘ったれんな!
葵(なまえ)
葵あなた
いつまでも、誰かに頼りっぱなしは自分をダメにするんだよ。
ルル
ルルは…そんな強い人間じゃないんだよ。
ルル
あなたちゃんと一緒にしないで。
葵(なまえ)
葵あなた
確かに一人じゃ生きていけないし、誰かの助けがあるから今がある。
葵(なまえ)
葵あなた
私も、皆も、そんなに強い人間じゃない。
人は誰しも弱いところがあるから。
手を取り合い生きてるんだよ。
葵(なまえ)
葵あなた
全部を一人でやれなんて言わない。ただ一方的に押し付けるな。
愛も権利も全て。
葵(なまえ)
葵あなた
相手のことも見て、考えて。
……そして常に優しくあれ。
ルル
何でそんなに私のことを
そんなの簡単だよ。

昔のルルは一途で後輩 わたし にも優しかった。

本当のあんたは、きっと優しい。
…人に優しくできる人間だと思う。

感情に左右されることも分かる。

でも、人を傷つけたあんたは
自分も気づかないうちに傷ついてるだろ。

そんなの嫌じゃん。
葵(なまえ)
葵あなた
フッ、またいつか…教えてあげるよ。
だからさ今は……
葵(なまえ)
葵あなた
今はまず、自首ね。
ルル
……カタカタカタ…
手を握る。
葵(なまえ)
葵あなた
大丈夫、
ルル
葵(なまえ)
葵あなた
同じ人を好きになった人として、道を外そうとするなら全力で止めるから……
葵(なまえ)
葵あなた
あんたが更生するつもりなら、全力で付き合ってあげるよ。
あんたは独りじゃないから。

だから、、大丈夫。
ルル
っっ、ごめんなさい、ごめんなさい……!っあなたちゃん……!!みんな
葵(なまえ)
葵あなた
フゥ……
及川
及川
警察の人来たよ!
警察
詳しく署で聞かせてもらってもいいかい?
ルル
はい。ポロポロ
ルル
あなた、ちゃん。
葵(なまえ)
葵あなた
っ早く行きなよ。
ルル
あなたちゃん……ありが、とう
葵(なまえ)
葵あなた
っ、ちゃんと償って、前を向いて出てこい。
ルル
うん、、
警察
行くぞ。
ルルが警察の人と一緒に出ていく姿を見届ける。


……これで一件落着かな
葵(なまえ)
葵あなた
ゴホッ
ちょっと、ヤバいな……
国見
国見
吐血…!
葵(なまえ)
葵あなた
バタッ
木葉
木葉
っぶね……
赤葦
赤葦
あなた、聞こえますか!?
葵(なまえ)
葵あなた
聞こえてるよ、だいじょーぶ……
木葉
木葉
あなた……しっかりしろ!
目が霞んできた。

ここで死んだら…ルルが殺人犯になっちまうからなぁ

木葉さんたちにも借りがあるし……死ねねぇなぁ。
葵(なまえ)
葵あなた
いっ……て
全員
あなた……!
木葉
木葉
あなた!!
色んな人の声が聞こえる。

一番近い声…木葉さんかな。
葵(なまえ)
葵あなた
泣くなよ、男だろぉ。
木葉
木葉
死ぬな、死ぬなよあなた……!
葵(なまえ)
葵あなた
死亡フラグ立てるとか酷いね…クスッ
こんなとこで死ぬわけねぇだろ。
木葉
木葉
なっ……
月島
月島
バカ言ってる場合じゃ……!
だいじょーぶだって、、
葵(なまえ)
葵あなた
ヤクソク。
木葉
木葉
っ、ぜってぇ守れよ。ニギッ
葵(なまえ)
葵あなた
あなた、ちゃんに、、任せと、け……ニコッ
今日はちょっと…疲れたな。
葵(なまえ)
葵あなた
ガクンッ……
木葉side
お前の眠り方怖ぇんだよ…
神様頼むよ、あなたを死なせないでくれッ……
全員
あなた!?!!
月島
月島
脈が浅い…
黒尾
黒尾
早く救急車!!


この後、すぐに救急隊員の人が駆けつけて
あなたは救急車へと運ばれた。

ピーポーピーポーと騒がしいサイレンを聞きながら、俺たちはその場に残った。
木兎
木兎
大丈夫、、だよな?
あなたになんかあったりしねぇよな?
全員
……
赤葦
赤葦
………今は、信じて待ちましょう。
木兎
木兎
ッそうだな。
強制的に俺たちの合宿は幕を閉じた。

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