結局恭平に押されて部屋に入れてる私は一体…
高橋「で、さっきの人達は?」
『2人とも大学の先輩』
高橋「それだけ?」
『バイトで出会って仲良くしてもらってる』
高橋「あー、なるほど」
『ほんとにそれだけだから帰りな?』
高橋「嫌や。なんのために来たと思ってるん」
『え?それ聞くためじゃ…』
高橋「ちゃうわ。いやまあそれもやけど…」
『なんかあったっけ?』
高橋「あなた自分の誕生日忘れたん?」
『…あ、』
高橋「今日何月何日?」
『7月28日…』
高橋「あなたの誕生日やろ」
『そうでした…』
高橋「プレゼントいるやろ?」
『え、あるの?』
高橋「気に入るか分からへんけど…」
そう言ってカバンから出てきたのは小さめの袋
他のことで頭がいっぱいですっかり誕生日なんて忘れてたからワクワクしてる
『え〜なに?』
高橋「開けてみ?」
『うん……あ、ピアス?』
高橋「うん、どう?」
『可愛い…センスいいね』
高橋「ほんま?よかった…」
『恭平ありがとう、嬉しい!』
高橋「…おう」
今度ケーキ食べよと言って帰って行った恭平
静かになった部屋で1人貰ったピアスを付けてみる。
キラッと輝く耳を見つめて、自分でもよく分からなくなった感情をぐっと抑え込んだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。