第5話

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2022/05/31 12:22
コンコンコン
メイド
失礼します
アニシェラ・ルーエアー
どうぞ
メイド
朝食のお時間になってもなかなかいらっしゃらないのでお呼びするようにと仰せつかって参りました
リリィ
ああその事ですが,今日はお嬢様の体調が優れないということですので部屋でお召し上がりになられるそうです
リリィ
申し訳ありませんが部屋の前までお食事を持ってきていただけませんか?
メイド
分かりました
メイド
それではすぐにお持ちします
メイド
失礼しました



ガチャン




アニシェラ・ルーエアー
リリィ,ありがとう
リリィ
私の独断で決めましたけど大丈夫ですか?
アニシェラ・ルーエアー
いやいや,むしろ助かったよ
俺はまだアニシェラとしての対応が即座に出来るわけではないし,テーブルマナーや家族との関係性などをどうすべきか分からないのだ。アニシェラのメイドが彼女でよかったと心から思った。
アニシェラ・ルーエアー
さてと,じゃあ一緒にご飯食べよっか
リリィ
え??
リリィ
え,えっと……聞き間違いですかね?一緒にって聞こえた気がしたんですけど……
アニシェラ・ルーエアー
ちゃんと一緒にって言ったよ?
1人で食事とか寂しすぎるのである。
リリィ
いやいやいや,一介のメイド風情がお貴族様と一緒に食事をとったなんてバレたら……
リリィ
社会的に抹殺されちゃいますよ!!
いや貴族社会どんだけ怖いんだよ。
などと思ったが,アニシェラの記憶の中では家族からかなり愛されていたようなので何とかなるだろう。
アニシェラ・ルーエアー
大丈夫大丈夫
アニシェラ・ルーエアー
バレなきゃいいんだから
アニシェラ・ルーエアー
ね?
そう言いながら上目遣いをしてみる。
…………
リリィ
わ,分かりました……でも今日だけですよ!
アニシェラ・ルーエアー
やった!ありがとう!
どうやらリリィは上目遣いには弱いようである。

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