俺は家に帰って、ベッドに飛び乗った。
腹が立って仕方がない。
アイツらには分からないんだろう。
数字が少ない者の気持ちが、
俺は普段人の前では自然と自分を隠すように話す。
いつも口から出る言葉だって、
昔のキャラ作りが癖になって治らないんだ。
俺だって、怖い。
0になったら何が起こるか分からない。
でも、その気持ちを人に伝えられない。
親にも猫被っている。
本当の俺は、いつ出てきてくれるの。
厄介なことに、猫被りだけでなく
変なプライドもある。
自分ですら腹が立つほど
独り身を好んでいる。
言葉を口にするほど、自分という存在が
何なのか分からなくなる。
きっと、この数字は俺達にしか見えない。
そんなこと分かりきってる。
でも、いつもの癖でスマホを開いて
SNSで検索する。
『頭上 数字 正体』
『頭上 数字 意味』
『頭上 数字 解除』
検索ワードに引っかかって出てくるものの
ほとんどはアニメや、漫画の考察やネタバレ。
俺の知りたいことは何一つと出てこない。
それでも根気強くスクロールをしていると
目に止まるサイトがあった。
『カウントは終わりの表しじゃない!?
新たな姿へ変わるまで……』
そうは言いながらもサイトをタップしてみた。
俺の中で、前例があったからだ。
『ポケットモンスター』
進化するまでのレベルを計算すると
カウントになる。
少々強引かもしれないが、
カウントが終わり進化したポケモンはみんな強くなる
例え不格好な姿でも
ステータスは必ずアップする。
そう考えればこのサイトもあながち間違ってはない。
気がつけばサイトに目が釘付けだった。
文章が嫌いな俺でも
今は何か少しのヒントを求めて必死に読んでいた。
読み終わって得たものは結局何もなかった。
時間を無駄にした。
その時、数字が動いた。
『残り、9日』
ついに、二桁を切った。
あと、9日。
何が原因で減っているのかも分からないまま
刻一刻と終わりに近づいている。
自分に言い聞かせるように呟く。
本当の俺を守るために。
今、俺の中には本当に
『死んだって何も変わらない』
と思っている俺と、
『死ぬのが怖い』
と思っている俺が戦っている。
ここがゲームのセカイじゃないことなんてわかってる。
死んだら全て終わりだってこともわかってる。
だからこそ、 死ねば記憶もなくなって
苦しんだこの時間も帳消しされるんじゃないか。
と希望を持ってしまう。
実際は、誰も死んだらどうなるかなんて分からない。
ディズニー映画に死後の世界を舞台にした物がある
俺はそれを見て死後の世界に少し憧れを持っていた。
それなのに、いざ死の恐怖に直面すると
こんなにも人は情けなくなるのか。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。