最近。
ころんはちょっとだけ無理をしていた。
新ユニット、BNK、合同配信。
「だいじょぶだもん!」
口ではそう言うけど、
咳が増えている。
ある日のリハ。
「……っ、」
急に視界が揺れた。
あっきぃがすぐ気づく。
「ころん?」
「へーき……」
一歩踏み出して——
ふらっ。
まぜ太が支える。
「熱ある。」
ぷりっつが額に手を当てる。
「高い。」
それでもころんは笑おうとする。
「本番できるよ?」
3人同時。
「できない。」
強制終了。
⸻
病院。
診断は——過労と高熱。
命に関わるものじゃない。
でも、しっかり休養が必要。
ベッドの上。
ころんはしゅん。
「迷惑かけちゃった……」
あっきぃが即否定。
「かけてない。」
まぜ太が静かに言う。
「無理してたの気づけなかった俺らのせい。」
ぷりっつが優しく手を握る。
「ちゃんと甘えろって言っただろ。」
ころんの目がうるうる。
「だって、がんばりたかったんだもん。」
あっきぃが頭を撫でる。
「頑張るのと無理するのは違う。」
まぜ太が続ける。
「倒れるまでやるな。」
ぷりっつが微笑む。
「末っ子は回復するのが仕事。」
ころん、むぅ。
「18歳だもん。」
「年齢詐欺。」
「言わないでぇ……」
でもその声は弱い。
夜。
高熱でうなされる。
「にぃに……」
3人は交代でそばにいる。
タオルを替え、水を飲ませる。
あっきぃが小声で言う。
「怖いか?」
ころんはうっすら目を開ける。
「……ちょっと。」
まぜ太が手を握る。
「いる。」
ぷりっつが微笑む。
「どこにも行かない。」
ころんは安心したように目を閉じる。
数日後。
熱は下がった。
少し元気を取り戻したころんが言う。
「ねぇ。」
「ん?」
「ぼく、弱くないよね?」
3人が顔を見合わせる。
あっきぃが即答。
「弱いわけない。」
まぜ太が静かに。
「倒れたのは、頑張りすぎただけ。」
ぷりっつが優しく言う。
「休めるのも強さ。」
ころんは少し考えて——
にこっと笑う。
「じゃあ、今日は甘える日。」
3人同時。
「毎日でいい。」
ころん、真っ赤。
でもぎゅっと抱きつく。
「……にぃに、だいすき。」
3人同時。
「知ってる。」
病気は、絆をまた一段強くした。
無理しない。
守る。
信じる。
それがBNK。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。