第8話

第8話 ― 本気の怒り ―
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2026/03/22 23:12 更新
イベント終わり。

警備も強化されたし、今日は安心——

のはずだった。

楽屋へ戻る途中。

廊下の角から、見覚えのある影。

ころんの足がぴたりと止まる。

「……にぃに。」

声が小さくなる。

あっきぃがすぐ気づく。

「いるのか。」

曲がり角の向こう。

あの日の男性が立っていた。

距離はある。

でも、明らかにこちらを見ている。

「話すだけだから。」

その一言で、空気が凍る。

まぜ太が前に出る。

いつもの静かな雰囲気じゃない。

低く、はっきり。

「これ以上近づいたら通報する。」

ぷりっつは既にスタッフへ合図。

あっきぃはころんを完全に背中へ隠す。

ころんの手が震える。

でも今回は——

「……やめてください。」

小さいけど、はっきりした声。

全員が一瞬驚く。

ころんは兄たちの背中越しに言う。

「ぼく、こわいです。」

男性が一瞬ひるむ。

そこへ警備が到着。

すぐに対応され、連れていかれる。

その場はそれで終わった。



楽屋。

ドアが閉まった瞬間。

あっきぃが壁を軽く殴る。

「……くそ。」

本気で怒っている。

まぜ太も珍しく感情が出ている。

「二度と近づけさせない。」

ぷりっつはころんの前にしゃがむ。

「大丈夫か。」

ころんは少し震えていたけど、

こくん、と頷く。

「……さっき、言えたよ。」

あっきぃが振り向く。

「うん。」

「ぼく、やめてって言えた。」

声はまだ少し揺れてる。

でも目は強い。

まぜ太がそっと頭を撫でる。

「偉い。」

ぷりっつが優しく抱き寄せる。

「ちゃんと守れたな。」

ころんはぎゅっと3人を掴む。

「でもね、」

顔をうずめる。

「やっぱり、ちょっとだけこわい。」

あっきぃが即抱きしめる。

「当たり前だろ。」

まぜ太が背中をさする。

「怖くていい。」

ぷりっつが言う。

「その代わり、一人にしない。」

ころんがぽつり。

「……にぃにたち、怒ってたね。」

あっきぃが苦笑する。

「当たり前だろ。」

まぜ太が静かに言う。

「家族だからな。」

ぷりっつが優しく笑う。

「でも怒りは俺らの仕事。」

ころんは少し考えて——

にこっと笑う。

「じゃあぼくは、笑う係。」

3人が同時に固まる。

「反則。」

「ずるい。」

「可愛い。」

ころん、照れ。

「年齢詐欺って言ったら泣くよ?」

「言わない。」

「言わない。」

「言わない。」

即答。

ドアの外。

STPRメンバーが静かに言う。

「BNK、強いな。」

守る本気。

守られる強さ。

両方を手に入れた末っ子は、

前より少しだけ、大人になった。

でも溺愛は——

増した。

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