その夜。
ホテルの部屋。
警備も強化されて、もう安全。
なのに——
ころんは、まだ兄たちの服をぎゅっと掴んでいた。
「……ころん?」
ぷりっつが優しく呼ぶ。
「ん。」
離れない。
あっきぃがくすっと笑う。
「甘えモード入ったな。」
「入ってないもん。」
でも手は離さない。
まぜ太が隣に座る。
「怖かったんだろ。」
ころんは少し黙って——
こくん。
「……ちょっとだけ。」
あっきぃが腕を広げる。
「おいで。」
一瞬迷ってから、
ころんはぽすん、と飛び込む。
「よしよし。」
「やだぁ子ども扱いぃ……」
言いながら、ぎゅっと抱きつく。
ぷりっつが頭を撫でる。
まぜ太が背中をさする。
完全末っ子状態。
「ぼくね、」
ころんが小さな声で言う。
「ちゃんと強くなるつもりだったの。」
「なってる。」
即答。
「でもね、」
ぎゅっと服を握る。
「にぃにたちの前だと、ちっちゃくなっちゃう。」
3人が固まる。
あっきぃが優しく言う。
「それでいい。」
まぜ太が続ける。
「外では強く。」
ぷりっつが微笑む。
「ここでは甘えろ。」
ころんの目がじわっと潤む。
「……ずっと一緒?」
3人同時。
「当たり前。」
ころんがにぱっと笑う。
「えへへ〜♡」
数分後。
ころん、完全に3人の真ん中で挟まれている。
「重くない?」
「軽すぎ。」
「もっと食え。」
「年齢詐欺言ったら怒るよ?」
「言わない。」
即答。
ころんは安心しきった顔で、
目を閉じる。
「にぃに……すき……」
寝落ち。
3人が顔を見合わせる。
あっきぃが小声で。
「守る。」
まぜ太が頷く。
「絶対。」
ぷりっつが毛布をかける。
「一生な。」
外では強いBNK。
でもここでは、
世界一甘やかされる末っ子。
そして溺愛は、今日も更新中。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。