ー1話ー
「実は、俺美大行きたいんだ」
言いたいことをはっきりと口にできる貴方が好きだった
怖くて私は自分のやりたいことを他人に話せない
自分を守ることに必死で批判されるのが怖かった
ましてや好きな人なんて誰にも言えない
繋ぎ止めて置かないとすぐに終わってしまうような関係だからから
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ファン・ヒョンジンとははただのクラスメイトだった
高校1年生の春、特に仲がいいわけでもなく、学校で目が合えば軽く挨拶をするぐらい
友達と呼べるほどの仲でもなかった
ファン・ヒョンジンは週に2度くらいしか学校に来ず、きても必ず遅刻…
最低でも3限からしか来ない。
なんとなく気になっていた
明らかに普通の人間と違う生活を送っているファン・ヒョンジンが、どんな人間なのか
気になるだけで知ろうとはしなかった
私は自分の芸術の実力に自信があった
美術の授業になれば決まって私は鼻を高くし、筆を進めていた
そんな中、クラスの女子が高い声をあげていた
「ヒョンジン君の絵めっちゃ綺麗!上手すぎでしょ」
「私も見たい!え、すご!」
ファン・ヒョンジンは照れくさそうしていて、私も便乗して見に行った
別に上手いとは思わなかった
それぐらいの仲だった
季節が変わって、たくさんの月日が経ち、もう高校1年生も終わりに差し掛かっていた
「今学年も、もう終盤ですね。みんな後悔なく過ごせましたか?」
担任のなんの変哲もない一言により、平凡な高校1年生を過ごしてしまったことに改めて気づいた私は日常に刺激を求めて新学年から部活に入ることを決意する
すでにこの時から小さな歯車が動き出していた












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!