卒業式 当日
長い式が終わり、今になって
ようやく実感が湧いてくる。
今は各クラスに戻り、最後のホームルームで
担任の有難い話を聞いている最中だ。
...私はというもの、昨日の事が頭から離れず、
何も考えられないで身が入っていない状態だ。
...ほんと、...何やってるんだろう、私
なんで、わざわざ私の前に現れたの...?
苦しくなるから、もう " 逢いたくなかった " のに...ッ
もう、 " 忘れたかった " のにッ...
ガシッ
タッタッタッタッ...
" あの場所 "
覚えてるに決まってる、忘れる訳が無い。
初めて貴方と、スンチョラと会った場所。
私達の近所の、...大きな桜の樹木がある公園だ。
この桜にどれだけお世話になったか、
私達がかつて遊んだ場所は、古くなって
取り壊しがされた所もあったけど、
ここだけは、変わることの無い唯一無二の場所だった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。