(バクが待ちわびた)夏祭り当日
テンションが低い飛とあなたの下の名前とは逆に、バクはとてもテンションが上がっていた。
道には色々な屋台が並んでおり、香ばしい匂いが香ってくる。
食欲をそそられるが、人が多いので少し減少する。
待ち合わせ場所に着いた飛たちはキョロキョロと龍子を探していた。
後ろの方から声が飛んできた。
振り返るとそこには案の定龍子がいて、浴衣を着ていた。
白が基調になっており、暖色系の花が所々に咲いている。
髪型もいつもとは違く、低い位置で2つのお団子を作っていた。
飛は龍子が来てからずっと龍子のことを見ていた。
言いずらそうに飛は1度、目を逸らしたが、その後龍子を見て言った。
龍子は目を見開いたまま、固まってしまった。
急に大きな声を出したので、びっくりした。
それは飛も同じのようで、少し目を開いていた。
龍子の顔は真っ赤で、りんごのようだった。
りんご............りんご飴
食べ物のことを考えていたら、なんだかお腹が空いてきた。
飛は振り返った。
龍子も不思議に思い、振り返った。
そこにはあなたの下の名前がいた。
慣れない浴衣。慣れない下駄。
なによりこの人混み。
いつもぽわぽわしているあなたの下の名前が、充分迷子になりそうな環境だった。
満場一致。
あなたの下の名前は飛と龍子を押して、イカ焼きの屋台へと向かった。
あなたの名字あなたの下の名前、高校2年生。
迷子になりました。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。