ピアス無いなー、とか
向こうでこさめといるまが何話してるんだろ、とか
さっきいるまの態度普通だったな、とか
俺に怒ってないのかな、とか
考えることが多すぎて 頭がパンクしそうだ
そう言い聞かせて水色の雫型のピアスを探しつつ、
頭にあるのは 昨日のなつの言葉
なつは普通にあの3人と話してるじゃん、仲良いじゃん
ていうか
ありえないくらい元気なこさめはともかく
普段おっとりしてるすちやみことに
「気をつけろ」なんて言われても、
何をどう警戒したらいいのかすら分からないし
そもそも警戒する点もない
パキッ
恐る恐る足元を見ると、
俺の踵の下に こさめのピアスがあった
割ってしまった...と思ったけど
俺がこのピアスを踏んだ感覚も無かったし
実際、このピアスはどこも割れていない
じゃあ、さっきの物音は何だったんだ?
こさめのピアスをズボンのポッケにしまい、
自分の周辺の床を再度確認する
そもそも、ここは体育館だから
俺は今ローファーを脱いで靴下だけの状態だし
そこまで考えて、ふと
頭に一つの仮説が浮かんだ
俺は、それへの心当たりは1つしか無かった
昔、組員が着ていたジャケットの裏に
盗聴器が仕掛けられていて
それに気づいたいるまがすぐに指でそれを砕いていた
つまり、超小型の盗聴器なら、
たった2本の指だけでも割れるんだ。
...まぁ、いるまが怪力なのもあるけど。
でも俺の足でだって、割ることは可能だ
急いで靴下の裏を確認すると、
黒色の欠片がいくつか付着していた
問題は、どこに付いてたか。
たぶん俺の服じゃない
もしそうなら、こんな簡単に落ちないだろうし
でも、だとすれば、残る可能性は
____________誰が、何のために?
こさめが置いた?
なら俺といるまを一緒に行動させた方が
この盗聴器で会話を盗み聞けるんだから、
わざわざ俺といるまを離れた場所に行かせるなんて
しないはず。
違う、そんなはずない
信じたくない
もしそうなら、この盗聴器は
こさめの声に、手に持っていた盗聴器の破片を
咄嗟に隠して振り向く
見つかるわけがない、俺が今
ポケットの中に持ってるんだから
でも もしここで
俺がポケットから取り出して差し出せば
きっとこさめは、俺を怪しむ
しゅん...と悲しげな顔をするこさめ
どうすれば俺は
この子を警戒できるだろうか
なつの時はまだ仲良くなる前だったからできた
こさめとすちとみことは、
俺が警戒するには仲良くなりすぎた
若干不服そうに いるまに従うこさめ
我ながらお人好しだなぁと思いつつも
そう言うと、
こさめの背後に立ついるまが
明らかに「は??」と顔を顰めた
こんなにもストレートに好意を伝えられたのは
初めてだから
若干戸惑ってしまう
いるまくん呼びするほど仲良くなってたんだ、
なんて
そんな些細なくだらないことに
若干心臓が痛んだ自分に、嫌気がさした











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。