第15話

第14話
1,428
2026/01/06 06:41 更新






 いるまside




緋箭 凪ひのや なつ
あれ、汐月いるま?
汐月 威蒔しおつき いるま
.................は



 向かいの横断歩道から、呑気にソイツが歩いてきた


緋箭 凪ひのや なつ
奇遇じゃん、何してんn
ガシッ
汐月 威蒔しおつき いるま
おい、らんはどこだよッ


 胸ぐらを掴むと、ソイツは困惑した顔を浮かべた



緋箭 凪ひのや なつ
...は、何?らん?知らねぇけど
汐月 威蒔しおつき いるま
知らない訳ねぇだろ、
お前の家の組員が攫ったんだよ


緋箭 凪ひのや なつ
.......は、



 バッと俺の手を振り解いて、

 こっちを思いっきり睨みつけてくる

緋箭 凪ひのや なつ
あぁそっか、お前俺の家知ってんだ?
緋箭 凪ひのや なつ
でも残念。俺はあの家じゃ避け者扱いだし
何も知ってる情報は無___
緋箭 凪ひのや なつ
...待てよ、お前


緋箭 凪ひのや なつ
汐月いるまって、



 なつの目が見開く


緋箭 凪ひのや なつ
....あー、そうか。
だから俺を警戒してたんだ
緋箭 凪ひのや なつ
お前はウチの敵桜桃組の若頭で、
らんはそこの跡取り息子か
緋箭 凪ひのや なつ
今まで気づかなかったのが馬鹿みたいだわ
こんな有名人が近くに居たとはな


汐月 威蒔しおつき いるま
...お喋りは終わったかよ

汐月 威蒔しおつき いるま
俺はらんを助けに行く
汐月 威蒔しおつき いるま
お前の家が潰れてもしらねぇぞ

緋箭 凪ひのや なつ
同情してんの?やめろよ気持ちワリィ
緋箭 凪ひのや なつ
俺はあの家がどうなったって良い
好きにしろ
汐月 威蒔しおつき いるま
...そうかよ



 なつの横を通り過ぎる


緋箭 凪ひのや なつ
.......俺の家の奴らは強ぇぞ
緋箭 凪ひのや なつ
1人で乗り込む気かよ
汐月 威蒔しおつき いるま
あぁ


汐月 威蒔しおつき いるま
俺のこと誰だと思ってんだよ


緋箭 凪ひのや なつ
...あっそ、何かあっても知らねえぞ





緋箭 凪ひのや なつ
......





♢♢♢♢









 らんside







祷朔 藍ちさく らん
(クッソ、しくった)
祷朔 藍ちさく らん
(まさか俺が人質にされるとはなぁ)







 __________数時間前.




珍しいっすね、
藍さんがこんな時間に稽古だなんて
祷朔 藍ちさく らん
まぁね、でも
祷朔 藍ちさく らん
これくらいしないと
いるまには勝てないから

祷朔 藍ちさく らん
...ま、これくらいしても
いるまには勝てないんだけど 笑
いやいや藍さん十分強いっすよ、
若頭が異次元なだけで


 庭で、組員と談笑していて

 最近は平和だったからって油断していた。






ガサガサッ

祷朔 藍ちさく らん
...?
祷朔 藍ちさく らん
今なんか、後ろの方で物音し


ガンッ

ッ"カハッ...!!
祷朔 藍ちさく らん
ッ!?


 俺が後ろを向いた瞬間に、

 さっきまで話していた組員が頭を鈍器で殴られた

祷朔 藍ちさく らん
ッ...!!!
祷朔 藍ちさく らん
な、なんで、誰...ッ

ビリビリッ
祷朔 藍ちさく らん
ッう"っ.....


 スタンガンを当てられたのだろう。


 全身に電気が走って、

 頭がクラクラして目がチカチカして



ッ...らん、さん"っ...!!



 最後に見えたのは、頭から血を流しながら

 俺の名を呼ぶ、組員の姿。
















祷朔 藍ちさく らん
...あー、ほんと
祷朔 藍ちさく らん
こんなことになるんだったら
実践経験積んどきゃ良かった。


 いるまは13歳から若頭として実際に裏で

 敵組織と やり合ったりしてたし


 じいちゃんだって若い頃から前線に出てたのに



祷朔 藍ちさく らん
(...俺だけは、ずっと家だった)


 みんなが重度の怪我を負って帰ってきて、

 俺も役に立ちたくて家を出ようとした時


 毎回、いるまが俺を止めた



 今思えば、あの時いるまを振り払ってでも

 外に出ていれば良かったかもしれない




 俺は、ついさっき目の前で組員が血を流した時

 身体が動かなかった。



祷朔 藍ちさく らん
(...まぁ、昔外に出てたとして
その時に死んでたかもしれないけど)


 俺は今、緋箭ひのや家の1番奥にある

 薄暗く狭い和室に

 手と足を縛られて閉じ込められている


祷朔 藍ちさく らん
(助けに来るかな、いるま)


 ...来てくれないと、俺


 死ぬかもなぁ、ここで

祷朔 藍ちさく らん
(...それは嫌だなぁ)



ガラガラ...

目が覚めたか
祷朔 藍ちさく らん
...
汐月いるまをここに呼べ。
祷朔 藍ちさく らん
いや...
お前が汐月の弱点だと聞いたが...
こんなガキがアイツの弱点とはなぁ?
祷朔 藍ちさく らん
.....


 なんだ、このクソジジイ


まぁ良い、直に汐月もここに来るだろう
祷朔 藍ちさく らん
...あの
その時はお前の目の前で、
アイツを殺してやr
祷朔 藍ちさく らん
あの、すみません
...なんだ、この期に及んで
命乞いでもする気か?
祷朔 藍ちさく らん
いえ...そういう訳じゃ無いんですけど

祷朔 藍ちさく らん
...いるまなら、
もうここに来てると思います



......は?
何を言


ドカーーーーンッ

っ!?

汐月 威蒔しおつき いるま
_____よぉ、クソジジイ




 襖を思いっきり蹴飛ばして、

 いるまが部屋に入ってくる



汐月 威蒔しおつき いるま
俺をお呼びか?


 笑ってないけど、笑ってるような


 怒ってるけど、楽しんでいるような


 そんな表情をしている



祷朔 藍ちさく らん
(これだから喧嘩っ早いヤクザは...)
なっ、なぜここに居る...!!
見張りは30人も...!!
汐月 威蒔しおつき いるま
あー、アイツら?

汐月 威蒔しおつき いるま
雑魚だったわ


ックソガキが...!!
祷朔 藍ちさく らん
ッいるま危ないっ!!


グサッ

祷朔 藍ちさく らん
っ...!!..........え、
汐月 威蒔しおつき いるま
危なくねーよ、舐めんな


 いるまに向けられていた刀が、なぜか

 目の前のオジサンに刺さっていた


祷朔 藍ちさく らん
....、グロ...
ッ"...おのれ"...


 
汐月 威蒔しおつき いるま
はー、ったく
心配するこっちの身にもなれよ
汐月 威蒔しおつき いるま
ほんと心臓何個あっても足りねー...

 そう言いながら俺の手と足に結ばれた縄を解く

汐月 威蒔しおつき いるま
...良かったわ、無事で
祷朔 藍ちさく らん
...うん、ありがと


 いるまなら来てくれてると思ったけど、

 まぁそれは言わないでおこう



汐月 威蒔しおつき いるま
...あ"ー...やべ、
汐月 威蒔しおつき いるま
意識が...
祷朔 藍ちさく らん
っえ...


ドサ...ッ

祷朔 藍ちさく らん
っ、ちょ、いるま...?


 いるまの体がフラついて、俺の肩に倒れ込む

祷朔 藍ちさく らん
ッ...!!


 腹部が、出血していた

っ"...っははは!!!
さすがの汐月でも30人相手は厳しいだろう
祷朔 藍ちさく らん
お前、まだ生きて...ん"ッ!!


 思いっきり髪を掴まれ、引っ張られる

もう良い。お前を殺す
祷朔 藍ちさく らん
ッ!!

 短いナイフが、頬に突きつけられる


祷朔 藍ちさく らん
(っやば、い...)


 男がナイフを上に上げ、

 それから俺の首を狙って振りかぶった

祷朔 藍ちさく らん
ッ...(ギュッ



 死を覚悟して、目を瞑った。

祷朔 藍ちさく らん
(ごめん、いるま...ごめん)










ザシュッ

プリ小説オーディオドラマ