ザシュッ
...ポタ、ポタ、
刺された音がした数秒後、
俺の首からでは無い、
別の何処かから血が垂れる音が聞こえた
ドサッという鈍い音と共に、
目の前に立って、ナイフを握っていたソイツは
目を開いたまま崩れ落ちた
ソイツの心臓には、床に落ちていたはずの
いるまの刀が突き刺さっていた
でも刺したのはいるまじゃない。
だって、いるまは俺の肩に頭を乗せて
意識を失ってるから
刀を刺したであろうその人物が、俺の方に
近づいてくるが
部屋が暗いせいで影になって 顔が上手く見えな....
綺麗な栗色のはずの髪が
返り血のせいで 彼の目と同じ紅に染まっている
暗闇の中で光るその紅い眼に、少し背がゾッとした
そう言いかけた俺の口元に、なつの手が触れる
さっきあのジジイにナイフで突き刺された傷を見て
「全部返り血じゃねーじゃん」とツッコまれる
そしているまの方をチラッと見ると
俺の声が想像以上に震えていたせいか、
なつの目が見開くのがわかった
『_______こういうの慣れてねぇんだ』
その言葉は、今俺が最も言われたく無い言葉だった
知ってるよ、慣れてないことくらい
名前の知られてる極道家の組長のたった1人の孫なのに
実戦経験もないし返り血も浴びたことなかったし
血の匂いも目の前で人が殺されるのも初めてだし
それらを平然と眺めてるなつを
「おかしいんじゃねぇの」と思うくらいには













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。