前の話
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2486年生まれ。
十五歳、中三。
ミ クニ サ ユ リ
それが私。「三国 小百合」
志望校も決まり、
順調に受験シーズンが終わって、
受験当日を迎えるはずの時期、
1月11日
夜0:00に私のスマホのメールの音が鳴り響いた。
受験中ということもあり、
私は起きて勉強していたが、
憂鬱な受験に嫌気が差してしまい、
少しずつサボり出していた。
メールがきたなら好都合。
誰かと話す事が出来るかもしれない。
部屋の扉が閉まっていることを確認して、
私はスマホの電源ボタンを押した。
メールに飛び、
私へメールを送っていたのは、
「世界。」
という意味不明なアカウントであった。
しかし、
友達がふざけてこの名前にしたことを考慮して、
私はその画面を開いた。
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今の私は思う。
あの画面を開いた事で、
この平穏な世が乱れてしまったのであろうと。
あのまま開かなければ、
あのゲームが始まる前に
あの世に行くことが出来たのだから。
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そのメールの内容は、こんなものであった。
何これ........?w
友達の変なイタズラ?
こんなの信じられるわけないでしょ........w
ゲーム参加?
即刻死?
当然?
現実感なんてどこにもない。
ただのイタズラメールか........
そう思い私はその画面を閉じるために、
戻るボタンを押した。
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3年1組グループ 112件
112件........!?
学校の連絡事項を言う位しか
活用されないこのグループライン。
総勢40人学級の内の35人は
この中に入っている。
その他五人のうちの一人は、
スマホを持ってはいるが親に
グループに入ることに許可を貰えなかったらしい。
その他四人の内三人がガラケー。
残りの一人は連絡するケータイを持っていないらしい。
そんな事はどうでもいいんだが、
もう153件と、件数は増えるばかり。
これ以上増えても話についていけない。
私は開いてみた。
一番上は、クラスのお調子者の「有明 空(アリアケソラ)」
皆なんかメールとか届いた?
その一言が送信された。
時刻は0:01。
あのメールが送信されてから一分後だった。
それに応えるように他の皆が
え?皆も来てるの?
あれ、イタズラメールだと思ってたんだけど
そんな言葉が飛び交っていた。
みんなにも、あのメールが届いていた........?
下までスクロールした時には、
共通の友人による嫌がらせでは........?
という意見でまとまりかけていた。
私は、
私にもそのメール来てたよ。
誰かが名前変えて
イタズラで送ってきたんじゃない?
そう送信した。
みんなは、
やっぱそーだよなー。
さゆりもなんだ!良かった〜
安堵のメール。
確信の言葉が飛び交い。
0:30にはこの話は終わり、
メールは静まり返った。
みんな受験勉強を始めたのであろう。
私もそろそろ勉強しなければ間に合わない。
そう思いもう一度机に向き直した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。