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第1話

意味不明なメール
118
2019/01/05 02:26
2486年生まれ。

十五歳、中三。

ミ クニ サ ユ リ
それが私。「三国 小百合」

志望校も決まり、
順調に受験シーズンが終わって、
受験当日を迎えるはずの時期、

1月11日
夜0:00に私のスマホのメールの音が鳴り響いた。
受験中ということもあり、
私は起きて勉強していたが、
憂鬱な受験に嫌気が差してしまい、
少しずつサボり出していた。
メールがきたなら好都合。
誰かと話す事が出来るかもしれない。
部屋の扉が閉まっていることを確認して、
私はスマホの電源ボタンを押した。
メールに飛び、
私へメールを送っていたのは、
「世界。」
という意味不明なアカウントであった。
しかし、
友達がふざけてこの名前にしたことを考慮して、
私はその画面を開いた。
───────────────────────


今の私は思う。
あの画面を開いた事で、
この平穏な世が乱れてしまったのであろうと。
あのまま開かなければ、
あのゲームが始まる前に
あの世に行くことが出来たのだから。

───────────────────────
そのメールの内容は、こんなものであった。
世界。
このメールを開いた貴方は、
ラッキーですね!
このメールを開いた時点で
貴方のゲーム参加を
認定させて頂きました。
そのゲームの内容は、
今日正午12:00。
このメール送信の12時間後とさせていただきます。
ちなみにこのメールを12:00までに開かなかった者は、即刻死。
当然の事です。
それでは12時間後にお会いしましょう。
何これ........?w
友達の変なイタズラ?
こんなの信じられるわけないでしょ........w
ゲーム参加?
即刻死?
当然?

現実感なんてどこにもない。
ただのイタズラメールか........
そう思い私はその画面を閉じるために、
戻るボタンを押した。

───────────────────────
3年1組グループ      112件
112件........!?


学校の連絡事項を言う位しか
活用されないこのグループライン。
総勢40人学級の内の35人は
この中に入っている。
その他五人のうちの一人は、
スマホを持ってはいるが親に
グループに入ることに許可を貰えなかったらしい。
その他四人の内三人がガラケー。
残りの一人は連絡するケータイを持っていないらしい。
そんな事はどうでもいいんだが、
もう153件と、件数は増えるばかり。
これ以上増えても話についていけない。
私は開いてみた。

一番上は、クラスのお調子者の「有明 空(アリアケソラ)」

皆なんかメールとか届いた?

その一言が送信された。
時刻は0:01。
あのメールが送信されてから一分後だった。
それに応えるように他の皆が
え?皆も来てるの?
あれ、イタズラメールだと思ってたんだけど
そんな言葉が飛び交っていた。
みんなにも、あのメールが届いていた........?
下までスクロールした時には、
共通の友人による嫌がらせでは........?
という意見でまとまりかけていた。
私は、


私にもそのメール来てたよ。
誰かが名前変えて
イタズラで送ってきたんじゃない?
そう送信した。
みんなは、
やっぱそーだよなー。


さゆりもなんだ!良かった〜
安堵のメール。
確信の言葉が飛び交い。
0:30にはこの話は終わり、
メールは静まり返った。
みんな受験勉強を始めたのであろう。
私もそろそろ勉強しなければ間に合わない。
そう思いもう一度机に向き直した。

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