︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎ ︎︎【おもいだす】
…カンシに見つかった後、偶然なのか。はたまた必然だったのか
"こっちだ!"
近くを通りかかった一兄さんが僕らの道標となって、脅威から逃がしてくれた
目的地であった五兄さんのいる部屋に着くと、逃げきれた安堵か、動き続けて体力が消耗したのか
僕らはその場に倒れるようにして眠りに堕ちた
目が覚めると、顔色を伺うように、六兄さんらが僕の顔を覗き込んでいた
ゆっくりと体を起こし、見える範囲で自分に欠けているものが無いか見る
そう思っていると、五兄さんが「ちょっといいか?」と一言断りを入れられた
「お前にとって、とても重要だ」と前置きされ、その話とやらを聞いた
あの後僕は部屋から出て、相変わらず真っ赤で、ぐにゅぐにゅしている道を、宛もなく進んでいる
歩を進めながら、左側頭部辺りに手を這わせる
そこには本来あるはずの耳が無かった
それに関しては、起きてからあの口に行くまでに、平衡感覚が狂っていたことで分かっていた
だがまさか、感情の方まで欠落していたとは
いざ聞かされると、自分では気づいていなかったが、この体は意外にも欠けていた
"それが無ければ、ママに会ってもがっかりされる"
"あー…とにかく誰かを大切にしろ"
なんて、無責任にも程があるだろうに…
見知らぬ部屋に入ると、そこには血塗れのベッドを見つめたまま動かない、僕らと似た人がいた
三番目か四番目なのだろう。そう思って、僕は愛を知るためにも話しかけてみた
突然話しかけられたからか、振り返ったその顔はとても驚いていた
どうやら向こうは僕のことを知っているようだった
三番目とタネがくっついた、という現象はよく分からないが、この人は兄弟のようで違う存在なのだと分かった
何か事情があるのだろうと、愛のことを聞く前に、この存在を知ろうと思った
最初は顔を曇らせたが、彼(どちらか分からないが)は話を聞かせてくれた
変更前:2023年10月12日
変更後:2024年6月9日














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。