ニックside (12話の時の気持ち)
雨が上がったズートピアの街は、光を反射してキラキラしていた。
ニック・ワイルドは、傘を片手に歩きながら、あなたのカタガナで呼ばれたい名前を見る。
小さく笑いながら、カフェの窓際で忙しそうに働く彼女の姿。
何度見ても、飽きることはない。
心の中で呟く。
もちろん、外では普通に振る舞う。
ニックは、あなたのカタガナで呼ばれたい名前が自分を意識していないときを、ひそかに楽しんでいた。
雨上がりの街を二人で歩く。
濡れた石畳を踏む音、遠くで鳴るサイレン。
それらすべてが、なんだか落ち着くBGMのように感じられる。
あなたのカタガナで呼ばれたい名前が花屋の前で足を止め、小さな花を指差す。
冗談っぽく笑う。
あなたのカタガナで呼ばれたい名前が照れた顔をするのを見るだけで、胸の奥がじんわり温かくなる。
ベンチに座り、あなたのカタガナで呼ばれたい名前を見守る。
黙っている時間も、心地いい。
あなたのカタガナで呼ばれたい名前が言う。
自然で、無理のない言葉。
ニックは軽く肩をすくめて、彼女に向けて小さな笑みを返す。
何も触れなくても、目が合うだけで心が通じる気がした。
ズートピアは今日も忙しく動く。
でも、二人の世界は、ここだけは静かでーーー
穏やかに流れていく。
影が長く伸びる路地を、並んで歩く。
ニックは思う。
そう、心の中でだけ。
外では、いつもの軽い口調で冗談を言いながら、
今日も彼女を見守る。
NEXT……












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。