第11話

kne : ようやく見つけた ②
1,125
2025/06/22 00:00 更新









 ■ kne . side









  

  あの再会の日から 2週間ほど 経った 。

  
  また会えるかもという 淡い期待を抱いて 、
  僕は 3日に1回くらい 1つ先の駅で 降りていた 。





  そして 今日も その駅で降りて 、 
  少し遠くなるが 歩いて 帰宅をしていた 。




  その時 、ふと 目の前の公園に目が止まった 。

  子供が1人 、大きな木の前でうずくまっていたのだ 。




kne
 …… ! 
kne
 …あの子は 、 





  遠くからだが 不思議と分かった 。

  2週間前のあの子だ 。… もちさんの、子供 。








  僕は 少し 躊躇ためらった のち
  とりあえず その小さな背中のもとへと 歩いた 。




kne
 … ねぇ 、どうしたの ? 





  彼の前で 立ち止まり 、
  僕自身も しゃがんで 目線を合わせる 。

  
  目の前の小さな存在が 顔を上げた 。




 …… ! 
 … おにいさん 、
 母さんのお友達の … 





  … 覚えていてくれたのだろうか 。


  不思議と嬉しくなって
  彼の瞳を じっ と 見つめ ____ …






kne
 … え 、 





  ドクンドクンと鼓動が騒ぎ出した 。

  同じだったのだ 。この子の瞳の色が 。
  他では見た事が無い 、自分と同じ 、
  スカイグレーの透き通った瞳 。


  この前 初めて会った時は
  暗かったせいかよく見えなかったが 、

  よくよく見てみれば 髪色も僕に近い色をしている 。





 … あのね 、そこ に
 風船が引っかかっちゃって 





  子供の言葉に 我に返り
  後ろの大きな木を振り返ると

  確かに 薄緑の風船が 木の幹に絡まっていた 。




  僕が背伸びして 取って渡すと
  ぱあっ と 嬉しそうに 微笑んでくれた 。

  … 笑顔は 、やはり 母 … もちさん に似ている 。





 ありがとう 、おにーさん ! 



kne
 … 、うん … 


kne
 … ねぇ 




  
  笑顔で風船を見ている彼に
  恐る恐る 声をかけると
 
  その無邪気な笑顔は こちらに向けられた 。




 ? 



kne
 … 君は 、もちさん の 
 子供だよね ?



 …もちさん … ? 



kne
 あ … えっと 、
 刀也 の 子供なんだよね ? 



 ! うん! 



kne
 そっか … 何年生、なの ? 





  緊張しながら そう問うてみる 。




 4年生 ! 



kne
 …… よね 、んせい 
kne
 … ってことは 、10歳 … ? 





  … 今年で 、10歳 。
  10年前に彼は産まれた 。

  そして 僕は 10年間 、心に穴が空いたままだった 。


  もしかすると …… この 空白の10年間 の 答え を 、
  この子は 持っているのかもしれない 。




 ううん 、今は9歳 
 今年で10だよ ! 





  その年齢に 息を詰めた 。

  深く沈んで もう上がって来れない と
  思っていた 心が 底から 浮き上がる気がした 。




kne
 … お父さんとは 、会った事ある ? 



 ううん 、ないよ 
 母さんはいつもコッソリ
 写真を見てるみたいなんだけど 、 
 僕には 見せてくれないの





  この子にこんな事を聞いては
  ダメなんだと 分かってはいる 。

  でも 、もう後悔するのは嫌だった 。

  例え 拒否されようが 、責められようが 、
  もう一度 自分は 、もちさん の手をつかみに行く 。




 あ 、でもね 
 父さんからもらった っていう 
 キーホルダー なら 、
 オレが もらったんだよ





  そう言って 子供は
  ポケットから 何かを取りだした 。

  それは 家の鍵とそれに付いているキーホルダーで、
  キーホルダーの方には 見覚えがあった 。


  落ち着いた大人っぽいデザインの剣を
  モチーフにしている キーホルダー 。

  それは間違いなく 、
  もちさんと付き合って 僕が
  初めて 渡した プレゼント だった 。




 これね 、父さんからの
 宝物だから 、絶対に
 失くすなって 言われてるんだ 
 初めてもらったプレゼント だ
 って 嬉しそうに 話してたんだ 





  もう我慢しようと思ったって
  涙が止まらなかった 。

  人生で初めて … いや 、
  彼と付き合った日ぶり に たくさん泣いた 。


  僕は 10年前 、とんでもない間違いを
  犯したのかもしれない 。



  ずっとに落ちなかった 。

  どうして もちさんの心が離れていったのか 。
  本当にあの時 、好きな人が出来たのか 。

  ずっと疑問が残って 、でもそれを無理やり信じて
  「 誰か 」 の せいにして 生きるしか無かったのだ 。


  あの時 、走り去る彼の手を掴んで 止めて 、
  突き放されたって 例えののしられたって、
  良い人間のフリなんかしなければよかった 。

  本当に憎いのは 10年前の 自分だ 。




 どうしたの ? どこか痛いの ? 





  僕の背中を さする 、小さな愛しい手 。
  
  それは小さくても とても 暖かくて 、
  僕の心の穴を 徐々に ふさいでいってくれた 。



  今すぐにでも抱きしめたい衝動をこらえて 、
  僕は 顔を上げた 。

  自分はまだ 、抱きしめる権利を 得ていないから 。




kne
 … ありがとう 、のぞみくん 



 … ! うん ! 



kne
 … のぞみくん 、今 、
 お母さんは お家にいる ? 



 うん 、今日は お仕事から
 早く帰ってきたから いるよ 



kne
 あのね 。ひとつ
 お願いがあるんだけど …  





  切なさ 、苦しさ 、申し訳なさ 。

  そして 、比にならないほどの 喜び 。


  
  これらを 自分にぶつけ 、
  そして 今すぐ 彼に 伝えたい 。




 なに ? 



kne
 お母さんに とても大事な話を 
 したいから … 
kne
 だから 、お母さんに
 合わせてくれないかな ? 





  僕がそう言うと
  
  僕と同じ色の瞳を ぱちくり と まばたかせ
  やがて 彼とソックリな笑顔を浮かべた 。





 うん 、いいよ ! 





  こっちだよ ! と 言って
  僕の手を引いてくれる 可愛らしい 子供 。

  僕は その手を離さないように 、
  優しく かたく 握りしめた 。

































 ______ ……





 ▋ knmc . side




 母さーん !お客さーん ! 





  洗濯物を干し終えて
  洗面所で手を洗っていると 、

  ふと 息子の声が 玄関から聞こえてきた 。

  遊んでくると言ったにしては
  随分 早い帰宅だ 。それに 、お客さん ?

  仲良くしてもらっている
  ご近所のおばさんさんだろうか ?


  一応 鏡を見ながら サッ と 髪を整え
  玄関へと向かう 。




knmc
 のぞみ ?お客さんって 、だれ … 





  何の気無し に 迎えてしまったが 、
  玄関の中 、息子の隣に立っている その人物を見て
  思わず 足は 一歩 後退あとずさった 。


  突然のことに 息は上手く出来なくて 、 
  鼓動だけが 早鐘はやがねを打つ 。

  切なくて 、苦しくなってたまらなくなるから 、
  もう 会いたくはなかった 。

  でも 、そんな 気持ちとは 裏腹に 、
  彼の姿を恋しく想わない日なんて 無かったのだ 。









knmc
 叶くん …… 



 kne
 急にごめんね 、もちさん 
 kne
 でも 、どうしても もちさん に 
 聞きたいことが あって





  彼はそう言うと 、

  懐かしい その スカイグレー の 瞳 で
  僕を じっ と 見つめた 。





 
































  2話目 書いてて 気づいたのですが …

  子供さん の名前 は のぞみ に しています が
  isgmさんではありません !!

 
  とある意味があって名付けたのですが
  偶然 重なってしまっていました …🤐


  でも 特に変わらないので
  isgmさんのショタver. と
  思ってくださっても 大丈夫です 🙏🏻




  ちなみに 作者の好みは aknさん寄りですので
  今回は 娘ではなく 息子に設定致しました 。

  もしも 娘だったら
   knmcさん 絶対 過保護レベル120ですね☺️
  名前は ユイちゃん とか …

  もちろん 息子でも 過保護な⚔️さんです ( 妄想 )











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