最近、不安になることが多くなった。
いつもやってるような仕事なのに、周りの目が異様に気になっちゃって、変に周りを見ちゃって。
いつしか、楽しんでいた仕事に前向きになれなくなっていた。
……負担、になってしまっていた。
でもこうやって元気に送ってくれるみんながいるから、支えになって。
気持ちは変わらないけど、少しだけでも、頑張ろうって思って続けてた。
それから数日経った。
相変わらず、ただ服しか纏っていない重だるい足で仕事に行く毎日。
今日は愁斗とドラマの撮影。
集中して、頑張らないと………。
今日は、愁斗と仕事に行く。
僕はなるべく違和感がないように接していた。
歩くスピードはいつもと変わらなかった。
仕事への行き渋り。
体って、ごまかせないんだな…。
今日は、一段と調子が悪いや。
これで3回目、なんで言われてすぐ出来ないのか自分にイライラしてきて、結局集中しきれない。
他の共演者さんもいるっていうのに…
迷惑かけるわけにはいかないんだから……
「終わった…」と、大きく息を吐いて心を落ち着かせる。
前は、落ち着く必要もなく気楽でいたのに…。
一体、なんて言われるんだろうか。
あ、全然だめだよって、怒られるんだ。
行きたくないな…、でも…
断る選択肢なんて、もとから無いんだから。
イエスマンにまわるだけ。
やっぱり、そっか。
作り物のえがおをならべて。
あ、愁斗が探してる…
早く、行かないと………、
リラックス、してるように…。
帰り道、
…そうだっけ……、
あぁ…そっか。
今日は多分、どこか可笑しいんだと思う。
家に帰ってきた安心感があったのはもちろんだったけど、薄暗くガラリとした家、「ただいま」と言ってもその場で響くだけの家を見て、なぜか怖くなった。
今まで「いってきます」を言っても、「ただいま」を言っても返ってきたあの声がなくて、
今まで抑え込んでた思いがプツンっと弾けて、今まで意識せずにできた呼吸が、一気に出来なくなった。
仕事から帰ってきてすぐに、琉弥の呼吸が可笑しくなった。
過呼吸。
何が原因なのか分からなくて、とりあえず落ち着かせるために一生懸命声をかけてるんだけど、全然反応してくれない。
このままじゃやばいでしょ?
早く、俺と目を合わせてよ……、
みんなって…今居ないよ…?
これで落ち着くなんていう確証は無いけれど、僕が一番落ち着くのはハグ。
一か八か試してみる。
ハグをしているから自然と耳元で話してるようになって、
だんだん落ち着いてきた。
過呼吸の状態が長引いちゃったから、手足がしびれてるのか、力が入らないみたい。
琉弥をリビングのソファに座らせて、リビングの電気をつけた。
長いので一旦切ります!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。