前の話
一覧へ
次の話

第11話

第11話⚠_自己嫌悪あり(じこけんお)_⚠
64
2024/06/04 01:00
     あなたの下の名前視点
あなた
ハアハア
来夏
あなたの下の名前?どうしたの?
『やっぱり、浮かれてたんだ...登録者60万人超えになって。』
『いや、浮かれてなんてない!自分はやりたいことをただやってるだけ。』
そう、私の中のポジティブな私とネガティブな私が言い争う。
ネガティブに侵略されそうになってる私は...
あなた
なんなの?
来夏
っ!あなたの下の名前、大丈夫だから!
『自分なんて実況者にふさわしくない...』
『おんりーとなんてつりあわない...』
「『こんな私なんかじゃ...』」
『自信を持って!』
『自信をも...
じ...を...
あなた
『こんな私なんかじゃ...!』
どんどんポジティブな自分の声は薄れていき...
自分はネガティブになる。
あなた
んぁ!
来夏
あなたの下の名前っ!
来夏
もしもしっ音羽くんっ?
もう嫌だ。こんな...
私はなんでおびえているの...?
この、小さな世界でなんで私を敵にまわすの?
あなた
アアアアアア
なんにも聞こえない。
聞きたくないっ!
耳を塞いでも聞こえてくる悪口。
あなた
...私はなんのためにぅまれてきたのかな。
???
俺のためだよ。あなたの下の名前。
あなた
っ!
あなた
お...んりー...?
音羽速翔
大丈夫。大丈夫。ヨシヨシ
そう、笑いかけてくれる彼は私のまっくらでからっぽの心の中にある光のように思えた...
思えたのに...
気づけばその光さえ避けてしまっていた...
あなた
はぁはぁ
『ネガティブな自分が大嫌い!』
『ポジティブなんて感情分からない。』
「浮かれてる。」
「ちょっと勉強ができるから、勉強教えてもらいたいだけなのに。」
「勘違いやばww」
「自己肯定感低くして、できるって言われたいだけだよね。」
「勘違い妄想乙ww」
「男にチヤホヤされて、浮かれてる。」
ちがう!ちがうちがうちがうちがう。
悪口言ってほしいんじゃない...!
「かわいそう」
「大丈夫。」
「守ってあげる。」
「裏切らないよ。」
ぜんぶ逆になって帰ってくる。
そういう言葉がほしいんじゃない。
私がほしいのは...!
あなた
居場所だ...
黙りっぱなしの空間でも、落ち着ける...場所。
音羽速翔
あなたの下の名前っ!?はぁはぁ
あなた
私が...今、ほしいもの...わかる...?
音羽速翔
え?
音羽速翔
............
音羽速翔
...居場所.......?
あなた
ポロポロ
あなた
速翔くん!
音羽速翔
ぎゅう...する?
あなた
うん。
ギュ
音羽速翔
今日はもう思う存分泣いていいんだよ。
あなた
うわぁぁぁぁあああん
初めて大きな声で泣いた。
まるでこの世に生まれ落ちた日のように泣いた。
      next

プリ小説オーディオドラマ