あなたの下の名前視点
『やっぱり、浮かれてたんだ...登録者60万人超えになって。』
『いや、浮かれてなんてない!自分はやりたいことをただやってるだけ。』
そう、私の中のポジティブな私とネガティブな私が言い争う。
ネガティブに侵略されそうになってる私は...
『自分なんて実況者にふさわしくない...』
『おんりーとなんてつりあわない...』
「『こんな私なんかじゃ...』」
『自信を持って!』
『自信をも...』
『じ...を...』
どんどんポジティブな自分の声は薄れていき...
自分はネガティブになる。
もう嫌だ。こんな...
私はなんでおびえているの...?
この、小さな世界でなんで私を敵にまわすの?
なんにも聞こえない。
聞きたくないっ!
耳を塞いでも聞こえてくる悪口。
そう、笑いかけてくれる彼は私のまっくらでからっぽの心の中にある光のように思えた...
思えたのに...
気づけばその光さえ避けてしまっていた...
『ネガティブな自分が大嫌い!』
『ポジティブなんて感情分からない。』
「浮かれてる。」
「ちょっと勉強ができるから、勉強教えてもらいたいだけなのに。」
「勘違いやばww」
「自己肯定感低くして、できるって言われたいだけだよね。」
「勘違い妄想乙ww」
「男にチヤホヤされて、浮かれてる。」
ちがう!ちがうちがうちがうちがう。
悪口言ってほしいんじゃない...!
「かわいそう」
「大丈夫。」
「守ってあげる。」
「裏切らないよ。」
ぜんぶ逆になって帰ってくる。
そういう言葉がほしいんじゃない。
私がほしいのは...!
黙りっぱなしの空間でも、落ち着ける...場所。
ギュ
初めて大きな声で泣いた。
まるでこの世に生まれ落ちた日のように泣いた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!