前の話
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僕はあなた。高校1年だ。
はぁ…また僕の近くの席で女子が恋バナとやらをしている。他人の恋の行方を聞いて何が楽しいのか僕は生まれたときから分からないままだ。
トイレに逃げて勉強でもするか…
あいつは隆史。僕の幼馴染だ。僕とは似ても似つかない性格なのに何故かこうしてつるんでいる。
それ、裏切るやつの言い方だ。
キーンコーンカーンコーン…
少し時間を飛ばして…
まじかあの優等生かよ。。。
やっぱり。言われると思った。
パチパチパチ
はぁ生徒会かぁ。。。
帰り道のこと
か、可愛いってどういう…?
カチャカチャ…
なんで急にそんな事を言ってくるのだろう
マスクを取った。人前でマスクを取ったことがないので、少し恥ずかしい
途端、僕は何が起きたのかわからなかった。ただ、僕のすぐ目の前に隆史の顔があるのだけは分かった。
僕は家に走った。隆史がなにか言いかけるのと同時に。
隆史目線
俺は隆史。あなたのことが好きだ。その事に気づいたのは丁度3年前…確か中1の頃だ。
その頃はまぁ、正直モテていた。だが、そんなに好きでもない人と付き合うなんて、追々面倒くさくなると思ったから、全部断っていた。断るたびに本当に良かったのかと後悔した。そんな俺の話を黙って頷いて聞いてくれるあなたの事を次第に気になるようになっていた。俺は、女のことをよく知らない。というかそんなに知っても使い道がないと思う。
けれど。
あなたと話していくうちに―気になる―から―好き―になっていた。正直、俺はまだ愛とか恋とか、気になっていなかった。だから、こんな俺が…?と最初の頃はそう思っていた。次第にあなたに対する想いは段々と積み重なっていった。これは、確実に恋なんだと思った。本当に好きだ。
やってしまった。
マスクを取ってくれたことをいいことに、興奮してやってしまった。
明日から話してくれるのだろうか
話してくれなくても、俺から謝ろう。そして、この気持ちを―
いつもと違ってすごくおかしかった。
…あれってキス…なのか…?
キス…きす…鱚?
駄目だ。あの行動は一体何だったんだ…?
検索してみるか…
翌日
だ、だめだ。機能のことが忘れられなくてボーッとしてしまっていた....
昼〜
ガチャ…
た、隆史のキス…初めてだからか、脳が…溶けそう…
ながっ…い
隆史 side
顔真っ赤にしてかわい♡
あなたside
混乱してしまう…
数時間前までただの友達だったのに
チュッ
ま、またキス…くるし…
翌日
やっぱり…
どんな顔して会えばいいか分からない!///////
昨日のこと、まさか忘れたんじゃないだろうな?
勉強に身が入らなかった…
話が気になりすぎて…
家〜いぇ~いyeah
ふぅ…気になる…話。。。
セックス…?なにそれ?
なんだ?体が言うことを聞かない…!
なんでベッドに行ってしまうんだ?
心臓がどきどきしている…
何かを待っているように
隆史の声が聞こえる…
何を言っているのかは聞こえないけど
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。