第3話

憂鬱な朝
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2024/11/13 04:39 更新
〜トラゾーside〜
あぁ、面倒くさい。

俺の家は地位が低いけれど、国の端っこの地域の領主を任せてもらって、平和に過ごせていて、現状にとても満足しているというのに、余計なお世話というのは、なんとも面倒なものだ。
地位の高い貴族たちに呼ばれて、断るわけにもいかず、奴隷市場に足を運ぶことになってしまった。

貴族たちの中では、奴隷をたくさん買って、色々な重労働をやらせているとか。

生憎俺は、父様が死んでから、使用人も雇わず、広い館を1人で使い余しているような人間だ。

奴隷には割と反対派なのだが、貴族たちには肯定派が多いので、どうすることもできずにいる。
まぁ、とにかく、憂鬱であった。
奴隷が次から次に連れてこられては値付けをされ、買われていく。

色んな人がいた。屈強な男から、小さな子供まで。
暴れたり、泣いたり。反応は様々だが、俺たちに対して恨みのこもった目で見てくるのは皆同じだった。
それを不快に思うことはなかったが、何故この人たちはこんな事になってしまったのか。
正直言って、胸糞が悪い。なぜ国王は奴隷制度を廃止しないのか不思議でたまらない。

ドタキャンすればよかったな…
そんなことを考えていると、次の奴隷がやって来た。


綺麗だな。

まず、そう思った。白髪と、緑がかった青い瞳。
顔は整っていたが、それだけじゃない。奴隷なので身なりが良いわけでもない。わからないが、目を引かれる何かがあった。

なんだろう、首輪と枷が彼の魅力を邪魔しているような気がする。

そんなことを考えていて、ふと気づき、驚いた。

他の奴隷たちとは違い、その瞳に恨みや不安などの感情は感じられず、ただあるのは諦めだけだったのだ。
あぁ、この人にこんな顔は似合わないな。
そう思うと同時に、あの人の感情に溢れた顔を見てみたいと強く思った。

手に入れたくなるには十分な理由だった。
幸い、使い道もなく溜まっているお金は沢山あった。

千万。奴隷に払うには異次元の値段だとは知っていたけれど、それ以上の価値がある人だと思ったし、どんな手を使ってでも手に入れたかった。
彼の名前はクロノアというらしい。
いい名前だった。これから、沢山呼んでみたかった。

勿論、奴隷として扱うつもりは欠片もない。
でも、手元に置いておきたかったので、使用人として雇いたいと申し出た。

ありがたいことに了承され、俺は彼を使用人として雇えることになった。
早速首輪と枷を取り外す。

彼に似合う服がうちにあっただろうか。
そんなことを考えながら、彼の手を引いて馬車へと導いた。

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