第54話

ななじぇる
329
2024/04/28 23:34
リクエストありがとうございます!
なーくん →妊娠中、もともと貧血持ち
ジェルくん→なーくんの夫
なーくんside
ななもり。くん
ッッッ……あ"ぁ…
現在AM10時15分
部屋に一人きり
強い腹痛に襲われて、その場にうずくまってしまった
ななもり。くん
ハァハァ…うまッれるッ……
ジェルくんはレコーディングで夜まで帰ってこない
ななもり。くん
すまッほ…
スマホに手を伸ばした
ななもり。くん
ハァハァ…どッしよ…
痛みと貧血手が震えてスマホが操作できない。
かなりヤバイ
ななもり。くん
じぇっくぅッ……
病院にも連絡できないし、ジェルくんも帰ってこない
完全にひとりきりだ
パチッバシャッ
ななもり。くん
え…
気づくと足が濡れているのが見えた
破水だ…
ななもり。くん
ッッッ!!い"ッッッ!!
さっきとは比べられないほどの陣痛が俺を襲った
ななもり。くん
あ"ッッッ!!い"た"ッッッ!!
できるだけ、息むのを我慢していたけど体に力が入る
ななもり。くん
ッッッ!!
赤ちゃん
おぎゃあぁ、おぎゃあぁ
ななもり。くん
ハァハァ
俺の子供は産声を上げた
ななもり。くん
ジェルくんに…電話しなきゃ
俺はスマホを触ってジェルくんに電話をかけた
この時、ある異変に気がついた
ななもり。くん
ッッッ!?!!
大量に出血してる、やばい
そう思ったときには目眩が始まっていた
ジェルくん
どしたん?なーくん?
ななもり。くん
じぇっくぅ…子供……血が……
うまく言葉が話せない……
頭が回らず何を言ってるのかもわからない
息も苦しい…
ななもり。くん
子供……血が…助けッ…
そこで意識が途切れた
ジェルくんside
レコーディングの合間に休憩していた時だった
ぷるるるるるる
ジェルくん
ん?なーくん?珍しいな
なーくんから電話が来てたので電話にでた
ジェルくん
どしたん?なーくん?
ななもり。くん
じぇっくぅ…子供……血が……
それは、俺が想像していたよりずっと弱々しいなーくんの声だった
ジェルくん
なーくん!?どしたん!?大丈夫!?
ななもり。くん
子供…血が…助けッ
そこで音が途切れた
ジェルくん
なーくん!?なーくん!?
俺はすぐ家に救急車を呼び、急いで帰った
ガチャッ
ジェルくん
なーくん!?どしたん!?
家に入って目に入るとツンと血の匂いが鼻を刺した
ジェルくん
なーくん!!
そこで目に入ったのは、臍の緒が繋がったままの赤ちゃんと、血まみれのなーくんだった
ジェルくん
なーくん!!なーくん!!
額は脂汗で前髪は張り付き、服の裾は血で赤く染まっていた
ジェルくん
なーくん!?!なーくん!?!
どれだけ声をかけても返事を返してくれない
それでも声をかけ続けた
ジェルくん
なーくん!!!なーくん!!!
直に救急車が到着し、なーくんは運ばれていった
あれから何度の夜を超えただろう、何度病院に訪れただろう
どれだけ数えてもなーくんは目を覚まさないままだった
ジェルくん
なーくん…なーくん……
娘にはななと名付け、ここまで育ててきた
なーくんと名前はずっと考えてきていた
その中の1つ、なな
なな
ぱ…ぱ……?
ジェルくん
んー?ぱぱだよー?
ななの前では悲しい顔なんて見せないようにしてきた
そんなななも、今日で1歳だった
ジェルくん
(今日であれから1年か…)
そんなことも考え、今日はななを連れて病院へ向かった
ジェルくん
ほら、なーくん
ななも今日で1歳やで
どれだけ話しかけても返答はない
ジェルくん
なーくんポロッはよ目覚ましてや
思わず目から涙が溢れた
なな
ま……ま…、?
なな
まま!まま(●´ω`●)
その時だった
ななもり。くん
んん…
ジェルくん
なーくん!?
ななもり。くん
パチッ
ジェルくん
なーくん!!
ななもり。くん
わぁ、ジェルくんどうしたの?
ジェルくん
なーくん、よかったポロポロ
なな
ままぁ✨
ななもり。くん
俺…ずっと寝てたの?
ジェルくん
もう起きへんかと思ったポロポロ
ななもり。くん
ごめんね、心配かけたね
ジェルくん
もう、どこにもいかんといてや
ななもり。くん
もちろん

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