第4話

最後の悪役
1,884
2023/08/05 11:54 更新
リアル人狼ゲームってあるじゃないですか。
推しが人狼陣営だとします。
そして推しが最後まで生き残ったとします。
推しが苦しみますね。
その上最後まで推しがいますね
推しが重要人物&闇堕ちするのが好きなあたしにとって
リアル人狼ゲームって神に値する存在なんですよ
だっっって推しが!!!闇落ちするかも!!!しれないし!!!!!!
美味しいじゃないですかぐえっへへへへへへ
...と、余談はこれくらいにして。
今回は
【司くんが人狼で、最後の最後で追放された時】
を書かせていただきます。


奏司、彰司注意です。
ちなみに生き残った人↓
東雲彰人(騎士)
天馬司(人狼)
宵崎奏(市民)
では、本編スタート!
朝 司の部屋
天馬司
...朝食まで時間があるな
司はベッドから起き上がるも、時間まで何もやることがなかったので
ベッドの上にとりあえず座った。
天馬司
...
昨日司は奏を狙ったが、
騎士が守ってるから無理だよー!とGMに言われた。きっと彰人だろう。
問題は今日。
議論で上手く立ち回れるかで、勝つか負けるかが決まる。
勿論、市民陣営が勝てば人狼陣営云々関係なく、元いた世界に帰れる。
人狼陣営が勝てば、市民陣営の残りの2人は死んで、自分のみが元いた世界に帰れる。
人狼陣営が負ければいい話なのだが...
...今更市民陣営を勝たそうとしたって、出来なかった。
仮に勝たせたとして、自分はどうなる?
答えは1つ。一生恨まれるだろう。
【失望した】なんて言われて、
離れていって、
見下されて。
...後戻りが出来ないのなら、もう勝つしかない。


この時の司は、生きるのに必死で頭が回らなかった。


「はいはーい!食堂へ集まって〜!!
あ、ちなみに今日の死者は0!騎士さんおめでとー!」
__GMの声がした。司はベッドから立ち、部屋から出る。
天馬司
(...大丈夫、オレなら行ける。
今日の議論は__負けられない)
...一瞬、司の目から光が失われたような気がした。
昼 議論場
「議論の時間だよー!」
GMの声で、3人はテーブルに向かった。
___さぁ、議論の開始だ。
天馬司
...オレは今日、宵崎を守った
東雲彰人
...オレもです
宵崎奏
あっ...じゃあ、昨日わたしが狙われてた...?
そういう事になる...よね
宵崎奏
...確か、今日で勝ち負けが決まるんだよね
天馬司
そうだな。
今日人狼を吊らねば、市民の負けは確定になる...
東雲彰人
...司先輩、いい加減嘘をつかないで貰えますか
天馬司
嘘をついてるやつなんかに言われなくは無いな
東雲彰人
っ...
司と彰人の間にはピリピリした空気が漂っていた。
宵崎奏
っあ...あ...あの!!
天馬司
!?
東雲彰人
!?
...その空気を割るように、奏が間に入っていった。
宵崎奏
...最初にGM、言ってましたよね。
「人狼の人は少し操られる」って
天馬司
...言っていたが...それはなんだ?
宵崎奏
操られた人...は、
思うんです、「【可哀想】だな」って
天馬司
...
...【可哀想】って、言わないでよ
東雲彰人
...それは確かに、オレも思う。
自分がしたくないことをやらされて...【可哀想】と
天馬司
っ...確かに...そうだな
司は疑われない様に、出来る限り普通の声で同情する。
宵崎奏
...天馬さん
天馬司
なんだ?
宵崎奏
あなた___
 
「【可哀想】ですね」
 
天馬司
...っ、!
...真正面から言われた言葉は痛い。
天馬司
...なんだ?オレに向かってそんなこと言うなんて...
それが本人のトラウマとなる言葉だったら、尚更痛い。
天馬司
まさかオレが人狼だと言いたいのか?
最初は痛くなくても、
天馬司
オレは騎士だと言っているだろう
じわり、じわりと。
天馬司
...騎士、だって
こころに染み込んでいって...
天馬司
っ...!
だから、ちが...
宵崎奏
...
___我慢なんて、できなかった。
最初はただ、【死にたくない】という気持ちだけで必死に嘘をついて。
そして、いつの間にか後戻りなんてできなくなって。
...何がスターだ。
何が笑顔にしたいだ!
自分の首を絞める行為しかしてなくて...
...諦めるしか、無いのかな。
もう、バットエンドは確定なのかな。
最初から、この運命は定められていたのかな。


なら___





____ジブンカラ、クズシテシマエ
天馬司
...そうだ。
オレが...【人狼】だ
天馬司
はは...失望しただろう?
もういい。オレに投票し___
宵崎奏
ま、待って!!
宵崎奏
わたしは...あなたにそんな気持ちをさせたくて、言った訳じゃない!!!
__珍しく、奏が大声を出した。
宵崎奏
...ねぇ、言ってよ
宵崎奏
あなたの気持ちを
宵崎奏
分からないよ...そうしないと。
なんであなたがここまで生き残ったのか、分からない...!
天馬司
...だからそれはっ...
東雲彰人
...宵崎さんの言う通りですよ。
何諦めたような顔をしてるんすか!!
東雲彰人
理由を教えてくれないと、何にもわかんねぇよ!!
...2人の想いが、司に届いて行く。
そして__
___司の想いは、爆発した。
天馬司
...オレだって...ここまで生き残りたくなかった!!
天馬司
ただ【死にたくない】って思って、
それで必死に、嘘までついて!!!
天馬司
思ったよ!!!「自分は何やってるんだろうな」って!!!
天馬司
でも、でも...
天馬司
...言うことが、できなかったんだよ...
...目が霞んでくる。
自分に泣く権利や、言い訳する権利なんかも無いのに。
まだ贅沢を言っちゃって__
宵崎奏
...
ぎゅっ
天馬司
っえ...
...奏は、司を包み込むように抱いた。
宵崎奏
...頑張ったね。
自分の想い言えて、偉いね
天馬司
...
東雲彰人
...そうですよ。
司センパイは、頑張りました
奏に続いて、彰人も司を抱いた。
天馬司
...うっ...ひぐっ...
...暖かい。
こんな暖かさに触れたのは、いつぶりだろうか。
お陰で止まったはずの涙も、また出てきた。
「...議論は終わりで、いいかな?」
天馬司
...あぁ
司は意を決した顔で、そう言った。
宵崎奏
...天馬さん。
もし、元の世界に戻った時に、皆がこの人狼ゲームの時の記憶が残っていても...
宵崎奏
きっと恨まないから。あなたの事を
東雲彰人
...だってよ。センパイ
天馬司
...ふふ。ありがとうな!
3人は、投票パネルに書かれている3人のうち1人をタップした。
「投票しゅーりょー!」
「追放されるのは...【天馬司】くんです!」
天馬司
...やっぱりな
「それじゃあ司くんは、この部屋に入ってね!」
その瞬間、1つの扉が開く。
天馬司
...彰人、宵崎さん
天馬司
___また、元の世界で!
そう言い切ると、司は扉の中に入っていった。
__パァン!!
銃声が響く。
でも、この音を聞くのも今日で終わりだ。
「...てことで、市民陣営の勝利〜!!
人狼ゲームに参加した皆さんを、元の世界に送るね〜!」
GMのその言葉に、2人は凄く安堵した。
宵崎奏
っ...!
東雲彰人
やっと...やっと...!
「うん!やっとだよ♪
...このゲートをくぐったら、君達は帰れる。もうここに、心残りは無いかな?」
東雲彰人
...そうだな。
ま、そんなに心残りなんて無いけど
宵崎奏
だね...
「ふーん。そっか!
じゃあばいばーい!!」
2人は扉に向かって歩いて行く。
そして、ゲートをくぐった瞬間___
し...の...、しのの...、しののめく...、東雲くん!!」
東雲彰人
うぉあっ!?
小豆沢こはね
よ、良かった...生きてた...
東雲彰人
んなの...人狼じゃないんだから...
小豆沢こはね
あ、そうそう!
小豆沢こはね
その事なんだけど、私達ね、ずっと東雲くん達のことを見てたんだ!
東雲彰人
...いや、どういう事だよ
小豆沢こはね
えぇっと...大きいスクリーン?なのかな。
そこから東雲くん達の姿が見れてね...
東雲彰人
(...ん?【ずっと】ってことは...)
東雲彰人
お前もしかして、あの時も...!
小豆沢こはね
あの時...あ、司さんが人狼だった時...かな?
小豆沢こはね
...皆、「恨むわけない」って、言ってたよ
小豆沢こはね
その証拠に...ほら、あそこ見て
東雲彰人
...?
こはねの言う『あそこ』を彰人は見る。
そこには...
神代類
つ"か"さ"く"ん"!!
僕達が恨む訳ないだろう!?
草薙寧々
本当に...司のバカぁ!!
天馬司
わ、分かったからちょ、
首、首掴むな!!苦しい!!
東雲彰人
...なんだあれw
思わずの光景に、彰人は笑ってしまった。
だが...
東雲彰人
(...良かったな、司センパイ)
同時に安心した、彰人であった。

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