__ガタン!
びっくりした。
去年の事を思い出していたら、
戸部君がぶつかってきた。
後ろの男子に向かって怒鳴った。
私は戸部君を睨んだ。
戸部君はいつもサッカー部の男子とじゃれあっている。
そしてすぐ本気の喧嘩になる。
全く訳が分からない。
塾のプリントを私の前に差し出した。
私にだって分かんない。
一緒だった小学生の時から分からないままだ。
なんで戸部君はいつも私に絡んでくるのか。
なんで同じ塾に入ってくるのか。
なんでサッカー部なのに先輩のように格好良くないのか。
ガタガタ……
隣の1年4組の授業も終わったらしく椅子を引く音する。
私は戸部君を押しのけるようにして立ち上がると、
廊下に向かった。
あんなやつと関わっている暇はない。
今日こそは仲直りすると決めていたのだ。
はられた図書委員や、生徒会のポスターを、
見るふりをしながら、
夏実が出てくるのを待った。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!