楸side
少しずつ足を進めてみんなのいる場所に近づく
…大きくなったな
僕が居なくなってから10年も経った
その長い年月の間、茉莉が成長して生きてきた
茉莉だけじゃない、夜空も由珠翔も緋色も
思わず顔が綻ぶ
するとふと夜空が顔をあげて目を見開いた
その声でみんなが振り返って僕を見る
まさかこんな短時間でいるのがバレるなんて
少し微笑んで返す
そして僕は茉莉を見る
茉莉はただ目を見開いて見ていた
なんて言おうか、
久しぶり?元気だった?大きくなったね?
違う、会いたかった、大好きで大切な妹
茉莉side
いるのはわかってたんだ
渚さんが話してるし、いるんだろうなって
けど急に夜空が兄ちゃんの名前を言って由珠翔と緋色は驚いて、
その方向見たら兄ちゃんがいて
けど何も言えなくて
なんでだろう嬉しいのに
そう思ってたけどその声を聞いてわかった、
声に出せないくらい嬉しくて、嬉しくて
その声がずっと聞きたかった、
ずっとずっとまた聞きたいと願っていた声だった
そう思ってたら何故かボロボロと涙が出てきて
止まなくて
そしたら兄ちゃんが挙動不審になってて
やっと声に出せてボロボロの顔だけど、
近寄って抱きしめる
そう言って私の頭に手を乗せる
また涙がこぼれて
抑えることもできないくらい涙がこぼれて、嬉しくて
優しく言う兄ちゃんの声を聞いてまた涙が出てしまう
その度に兄ちゃんが少しびっくりしてるけどそれも兄ちゃんらしいなと思った
昔と変わらない優しさが胸いっぱいに広がった
しばらくして私は落ち着いて、そばに居てくれた兄ちゃんに疑問を投げかけた
思わず目を輝かせてしまう
そう言ってふっと消える
けどそれどころか私は兄ちゃんのノートを見れるのが1番の楽しみだった
元々薬師野家で薬の実験をする人は多かったけど兄ちゃんは特にすごいものも作れて天才と言われるような人
私も兄ちゃんがしてたからやってたし、面白かった
薬だけじゃなくて解剖から、
色んな実験記録、
虫、鳥、哺乳類、様々なものの記録
そうまた私を撫でては説明を始める
もちろん私は目を輝かすしかない話を興味津々に聞いていた
大好きな兄ちゃんに似てきたのは嬉しいな〜
2人で笑い合う
一方…
そんなことを話していた
けどその間にも…
兄妹は意気投合をしていた
暗黙に背を向けて────end─
Next────?
『湊の音は何処』K.M.
『抱えた罪と共に』K.S.





















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。