結局逃げることも許されなかった。
そして今に至る。
旧校舎の教室。
あなたの下の名前は教卓の前に立っていた。
そして目の前にはやる気ゼロの5人。
シーン。
誰も返事をしない。
え、ひどくない???
てか気まず。
めちゃめちゃ気まず。
あなたの下の名前が恐る恐る前を見ると、
ヨンジュンは窓の外を見ている。
スビンは頬杖。
ボムギュはペンを回して遊んでいる。
テヒョンは机に突っ伏している。
ヒュニンは教科書で顔を隠していた。
終わってる。
完全に終わってる。
あなたの下の名前は勇気を振り絞った。
即答。
テヒョンだった。
顔すら上げない。
先生。
全然上手くいかなさそうです。
今度はボムギュ。
先生。
やっぱり無理です。
助けてください。
今ならまだ間に合います。
今ならまだ許してあげますよ。
すると。
笑い声が聞こえた。
見るとヒュニンだった。
ヒュニンは肩を震わせながら笑っている。
てかどこに笑う要素があったのだろう。
ツボ浅そう……。(
そんな中。
低い声が響いた。
ヨンジュンだった。
その一言で教室が静かになる。
ボムギュが驚いた顔をする。
数分後。
ようやく勉強会らしくなった。
……と思った。
あなたの下の名前の声が響く。
すると。
その後も。
教室には笑い声が広がった。
不思議だった。
最初は怖かったのに。
今は少しだけ違う。
気付けば。
時間はあっという間に過ぎていた。
ボムギュが伸びをする。
ヒュニンも机に突っ伏した。
ボムギュも笑う。
スビンも少しだけ口元を緩める。
ヨンジュンも少し口角が上がっている。
テヒョンもほんの少しだけ笑っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
帰り道。
あなたの下の名前は校門へ向かっていた。
疲れた。
すごく疲れた。
でも。
思ったより怖くなかったかもしれない。
そんなことを考えていると──
後ろから声がした。
振り返る。
そこにはヨンジュンがいた。
一人で。
ヨンジュンが差し出したのはノート。
勉強会で使ったものだった。
忘れてた。
あなたの下の名前が受け取ると、
ヨンジュンは少しだけ目を逸らした。
そしてそのまま歩いていく。
数歩進んでから。
小さく呟いた。
振り返る頃には、
ヨンジュンはもう前を向いていた。
そしてそのまま何処かへ歩いていった。
※落ちなしです😖

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。