家でそんなことを言われてすぐの頃。
私と結楽は学校でも色々言われ始めた。
正確には、『私だけが』悪口を言われた。
『妹と違って出来損ない』
『性格が暗くて、醜い。悪魔みたいだ』
『結楽と正反対』
そう。
『悪魔』と呼ばれていたのは……
高校生になってからではなかったんだ。
中学生の時から、ずっとそう言われ続けていた。
それでも、最初は否定しようとした。
『悪魔じゃない』と。
だけど、否定すればするほど周りは面白がった。
それが嫌になった。絶望した。
私はいつからか否定することを諦めてしまった。
何を言っても否定されるなら、黙っていよう。
顔に出さないようにしても、
不快なことを言われた時は嫌な顔をしたりもした。
やめて、否定しないで。
出来損ないでごめんなさい。
だけどね、お母さん。
お母さんに否定されるのが1番辛いよ。
次、頑張ればいい。
次は……次回…
私は悪魔じゃない!!『鈴白あなた』だ!!
両親は、仕事人間だった。
この家では、家事全般が私の担当。
それを見かねた結楽が、
気晴らしにカラオケに連れて行ってくれたこともあった。
歌は、その時に沢山練習した。
ビビットストリートで一緒に歌ったこともある。
チーム名は『White Bell』。
鈴は英語でBell、白は英語でWhite。
ただ、その2つを組み合わせただけの名前だ。
私は結構気に入っていたけどね。
……なのに、いつからか結楽は歌うことをやめてしまった。
私は結楽の歌が大好きだった。
私は低音が得意。結楽は高音パートが凄く綺麗。
2人合わせれば最強だねって話したんだけどな…笑
結楽の歌は、いつだって私に勇気をくれた。
だから、頑張れた。
結楽は、歌わなくなった理由を教えてくれなかった。
まぁ、それでもいいと思ったけど。
それから月日が経ち、高校に入学した頃。
両親にあることを言われた━━━━━━━━━━━━━━












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!