赫視点
僕は今喜びの中にいる
そう、僕はこの戦いを生き残ったのだ
一回帰れる
すごい、僕
ほんとすごい
自分で自分を褒める
最高のご褒美だね
がたがた、と列車に揺られながら着いた故郷は
信じられない光景だった
僕のいた村の半分くらいは焼け野原
なのに半分は無傷
なんで?
なんで半分だけ
しかも、僕の家は崩壊してて
帰る場所なんてなかった
僕の家のご近所さんだ
よかった、生きてた
おじちゃん、
確かかなり前に亡くなったはず
家は、残ってたんだ
長くて短い土の道を通って
おじちゃんの家についた
確かたまにおにぎりも食べたっけ
おじちゃんの茹でるお芋、美味しかったな
家の中は綺麗なままだった
懐かしい風鈴がちりん、と鳴ってて
よくみんなで遊んだことを思い出す
お茶かな、って思ったらまさかのお茶"漬け"
何日ぶりだろ
ちゃんとご飯たべれるのって
そう言って一口食べる
ほかほかしててすごく美味しい
美味しい、美味しいしか出てこない
…あ、そうだ、
そんなラッキーなことってあるんだ
みんなの力かな
あ、やっぱラッキーじゃないです
さっきの言葉取り消します
だって何も来てないし
てか家ないからそもそも来ないじゃん
そっか、おじちゃん亡くなったんだった
一人だもんね、
そりゃ寂しいわ
僕だって寂しいもん
あのあとお家に泊めてもらった
というか僕の家になった
あとは任せてね
絶対みんなの分も背負って生きるから











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。