リクスが退院すると、俺たちは実家に戻った
安全が確保できるまでは帰らせない、そう両家族で話し合った
その要望に応えるように俺はリクスの髪の毛を乾かした
そういうと、リクスは俺から一目を逸らす
リクスは少し乾いた声で話を続ける
そこまでいうと、僕は言葉を止めた
怖いの、ジナのこともわからなくなってしまう日が来るんじゃないかって
"誰だっけ”って思う日が来るのが怖いの
ジナに、傷ついてほしくない
自分にこれ以上失望したくない
大切な人を忘れたくないの
2人で買い物に行った帰り、突然雨が降ってきた
急いで屋根の下まで2人で走る
ジナがコートを僕にふわりとかける
ジナは雨の中走って行った
僕は少し冷えた体を守るようにしゃがみ込む
もう、かなり気温が下がってきている
今は、12月か
そう名前を呼ばれ、顔を上げると
目の前には傘を刺したジナがいた
僕は差し出された手を取る
だけど、頭に少しの頭痛を感じた
僕はジナのコートの袖を少しだけ寄せた
雨の音が静かにする車に揺られているとジナが速度上げた
バックミラーを見ると車が僕たちの車を猛スピードで追っている
急ブレーキと共に舌打ちが聞こえた
目の前には僕たちの車を止めるように止まった車があった
その車から人が勢いよく降りてこちらに向かってくる
車窓から見えたのは、ジナだった
窓越しに反射して見えた顔はジナではなく
チャニヒョンだった
ジナの大きな声が聞こえた
一体何が起こっているのか、僕には理解が追いつかなかった
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!